君の名は希望

優馬くんの名前は希望と今 知った

舞台「蜜蜂と遠雷」感想

一昨年の4月、社会人になりたてすぐの胃腸炎で初金沢を諦め、去年の4月、冥界の扉が開かれず初博多座の機会を逃して、今年の4月はコロナウイルスの変異株が猛威を奮っていた。

まだ3年目だけど、私の社会人生活のほとんどはコロナウイルスとともにあった。毎日毎日気が滅入る日々の中で、優馬くんに会えることだけが楽しみで、だけど人との接触を避けなければならないウイルスはそれすらも遠ざけた。社会人になってからの春にいい思い出がないので、今年こそはと思って楽しみにしていた。

でも現実は果たして公演が出来るのかと思うほどの感染者数だったし、いつ緊急事態宣言が出てもおかしくない状態で、どうしようか直前まで迷った。リスクも大きいけど、これから先またいつ優馬くんに会えるのか、舞台を見れるのか、それを天秤にかけるとどうしても捨てきれないチケットだった。ただ舞台を見たいだけなのに、現場に行きたいだけなのに。何でこんな世界になっちゃったのかなあ、と電車で息を潜めながら思った。

そんな中で会う、風間塵くんは天使みたいな人だった。純粋で真っ直ぐで天真爛漫。こんな時に会う優馬くん(役を通してだけど)が明るくて元気な役で少し救われた気がした。コロナ禍に会えて良かったなあと思う役柄でした。

今回、優馬くんの関わる作品で初めて原作を読まずに、前情報を得ずに観た。ずっと興味を持っていた作品で読みたいと思っていたけど、膨大な文字数に割く時間が見当たらなかったのと、知らないまま見るという初めての体験をしてみたかったのと。今回はそれがすごく面白い時間だった。

風間塵くん、優馬くんにすごく合ってるなあと思いました。もちろん優馬くんが塵くんを理解する努力をたくさんしたからなんだけど、それだけじゃない人柄や環境、周りの期待など本人とすごくリンクする部分があるなあと。優馬くんも言っていたけど、ジャニーさんのことも思い出した。塵くんも優馬くんも恩師と出会って、新しい世界に連れて行ってもらって人生が変わった人だから、塵くんとホフマン先生を見ていると自然と優馬くんとジャニーさんが思い浮かんだ。

塵くん自身とも実はすごく似てると思う、個人的には。よく影のある役が多いとか、感情の起伏がないとか本人は言ってるけど、根は決して暗くはないと思うんだよね優馬くんって。逆にネアカだと思う。人見知りはするけど、一度繋がった人とは深い関係を築けるし、どんな環境にも適応出来るし。感情の起伏だって個人活動が多いからそうなるだけで、もしグループに所属してたら結構うるさい方だと思う笑。あの明るくて、人を巻き込む吸引力のある塵くんがどこか優馬くんに重なって見えて、私はすごく魅力的に見えました。ああいう役柄もすごく似合うと思うからいっぱいやって欲しいなあ。

それから音楽劇と言っても、ピアノだけではなくて、歌だったり、コンテンポラリーダンスだったりと色んな要素が含まれていて、優馬くんの多様な経験値が活かされる舞台で、これをすべて優馬くんが網羅できるのはやっぱりジャニーズ出身だからだよなとアイデンティティを感じた。歌って踊る優馬くんも大好きなので、楽しそうに踊る塵くんに優馬くんが透けて見えて、少し恋しくなりました。タキシード姿なんて後ろにPLAYZONEの文字と大階段見えたの私だけじゃないよね???大袈裟じゃなくちょっと泣きそうになったよ????(プレゾンの亡霊)

たった1公演だけだったけど、やっぱり非日常に連れて行ってくれて、違う世界を見せてくれる舞台は最高の娯楽だなと思います。これが不要不急になる、それを生業にしてたり生き甲斐にしてる人が悲しい世界なんて早く過ぎればいいのになあ。あとどれくらい待てば、あとどれくらい耐えればそんな日が来るのかな。優馬くんがリスクに怯えずに、マスクで表情が分からないと悩まずに思い切りお芝居ができる日が早く来ますように。まずなにより無事に蜜蜂と遠雷の幕が降りますように。