君の名は希望

優馬くんの名前は希望と今 知った

篠崎良雅と愉快な仲間たちfeat.with元気一発納豆

好きすぎてタイトルにしてしまいました。このネーミングがもう最高ですよね。
まさか自担が初めて組んだバンド名がこんなにダサいとは!

というわけで、ローリング・ソング見てきました。
ドリアン・グレイ、それいゆ、クロスハート、にんじん、ABKAI、この数年でいろんな舞台に出演したから、もう見尽くしてるような気がしていたけど、また新しい優馬くんに会えた。
皆不格好で不器用だから見ていて楽しくて、面白くて。
でも一生懸命に生きてるから切なくて、苦しい。
いろんな感情が渦巻いて共存する、まさに人生みたいな舞台でした。
そのそれぞれの人生が交差して、転がっていくのが見ていて気持ち良かった。
そして何より、優馬くんの舞台でこんなに最初から最後まで明るいドタバタ劇初めてだったから新鮮でした。
観終わった後、ただただ清々しい気持ちで楽しかったー!って帰路に着くのすごくすごく良い…!

あともう1つ初めての感覚だったのが、圧倒的主人公が誰もいなかったこと。
私はもちろん優馬くんを見に行ったんですけど、いつもなら良雅くんだけに注目してるだろうけど、今回は魅力的な全員に引き込まれてバランスよく見れました。
逆に言えば、全員揃わないと面白くない。色んな要素と色んな感情が入り交じってるからこそお互いが活きて、ヒリヒリしてワクワクする楽しさがあって。
それが「誰かと生きていく」っていう、大変さとか楽しさを教えてくれた気がしました。
だから私はみんなと一緒にいる良雅くんが好きで、紆余曲折を経て皆で歌うあのラストシーンが一番それぞれの「一緒に生きている」っていう感覚が伝わって来て大好きでした。
だってあんなにダサいバンド名なのに、全員がキラキラしてて愉快どころか最高にカッコイイし、元気一発どころか3000発くらい打ち上げたいくらい元気出るもん!
個人的には、人と人が関わり合うこととか、誰かと一緒に生きていくことって、たまらなく面倒臭いし、とんでもなく疲れると思ってるんですが…ほら、ゲイであることを隠して生きたり、好きになった人が兄妹だったり、結婚詐欺師だったり、めちゃくちゃじゃないですか。
でもそれが自分が生きてる証でもあって、誰かの記憶に残ることで人って生きられるんだなあ、とあの5人を見ていて感じました。
それには家族とか家族じゃないとか関係なくて。音楽を通して繋がって、新しい形を作っていく。
そのひとつの形になった最後の演奏がたまらなく眩しくてエモくて、楽しいシーンなのに何故か泣きそうになった。
そして、楽しさの中に眩しさを感じて泣きたくなる感覚って、すごく青春に似てるなって思いました。
戻らない今を生きている事を、その最中に感じると楽しいのに泣きそうになるあの感覚。その瞬間を客観的に見るから余計に泣けたんだと思う。
世代も性格も全然違う3人が、マイクに集まって楽しそうに同じ歌を歌うあの光景が泣けて泣けてしょうがなかった。
だからローリング・ソングって、夢に怯える、夢を諦める、夢を掴もうとする、色んな世代が夢に翻弄される。それが物語の軸ですが、私はその周りにある人と人との繋がりの方にすごく心が動きました。
いろんな角度から心が動かされて、人によって一番感じる部分が違う、とても面白い舞台だなって。

そして鴻上さんは、子どもみたいな人なんだろうなとも。
60歳とは思えないほど、パワフルでエネルギッシュなセリフの数々と、それに透ける伝えたい思いが莫大で。
今でもまだまだ演劇を通して言いたいことがたくさんあって、泉のように湧いてくる人なんじゃないかと、ずっと最初と変わらない気持ちで書き続けてる人なんじゃないかと思いました。
だからどこか、皆で放課後集まって必死に考えて作る文化祭の出し物みたいなエモさがありました。クラス全員のやりたい事を詰め込んで、ただただ楽しいって気持ちだけでみんなが動く。それか旗揚げした劇団の初上演。小劇場での公演だけどそれに収まりきらない情熱とパワーが有り余ってる、そんな感じ。どちらでもまだまだ終わりじゃない、これからどこにでもいけるっていう爽快感が見ていて気持ちいい。
一番純粋で、一番真っ直ぐで、一番エネルギーがある演劇。
きっとステージに立つ人が一番楽しい舞台だと思います。
60歳になっても、まだ初めに戻れる人って物凄く魅力的な人だなあ。

最後に良雅くん。
ほんっとに良い意味で何物でもない人ですよね。
ただの夢を見ることが厳しい現代に生きる若者そのもので。
誰でも自分と重ねられる、誰の心にもいる人。
今までの優馬くんの役って、奥行きを演じなければいけなかったり、影を作らなければいけなかったり、自分が物語を動かさなければいけなかったりと、背負うものがたくさんあった気がするけど、今回は全員で動かす物語だし、どちらかというと良雅くんは振り回される方だったのですごく新鮮だった。
あと本当に等身大の若者に見えた。垢抜けてなくて冴えないくすぶる若者。いつもならその美しさにハッとする横顔も、今回はずっと不安と頼りなさが滲んでて。ひとつも優馬くんの美しさが透けない今どきの若者の顔してた。あんなに顔が綺麗だけど、優馬くんってちゃんとそれに蓋を出来る人なんだよなあと思い出しました。
まあたまに純粋に綺麗な顔が覗くこともあったけど、それは良雅くんが何かを見つけた瞬間だったり、音楽に心から触れた瞬間だったりしたので、あの美しさは良雅くんの心の充足感からくるものだろうなあと。
それに演じる人の顔のポテンシャルが出ちゃってるだけ笑。

あとやっぱり歌う優馬くんが好きだなあとも。
あの大好きな声がメロディーに乗って聴こえてくることがとっても幸せだった。
ミュージカルではなく音楽劇だからそんなに劇からはみ出さない、その場や心情に寄り添った音楽ばっかりで、普通に話すよりダイレクトに気持ちが伝わってくるのがすごく良かった。楽曲も素敵なものばっかりだったから、映像化されることが本当に嬉しい…!何度も聴きます…!
ギターも初挑戦なのに緊張も伝わってこなくて、とにかく楽しそうに触ってるのが印象的。似合ってたのでギター続けて欲しいなあと思います。
いつか、自分で作詞作曲した曲を聴けたらいいなあ…。

そして、優馬くん本当に役に成りきるのが上手になったなあと思いました。今回の良雅くんは単純だからあまり深く考えずに演じられる人ではあるけれど、その奥にある思いや、矛盾する感情も丁寧に演じていて。それが歌となって伝わってきたり、セリフから滲んでいたり、表情が語っていたり。
その些細な演技が篠崎良雅という人をよりクリアにしてくれるから、受け取る側からしても想像しやすくて、見ていて楽しかった。
それがきっと今までの優馬くんが積み重ねてきた努力の結晶なんだろうなあと思いました。
パンフレットで優馬くんが「僕は1歩ずつしかあがれない」と言っていたけど、私は「1歩ずつしか上がらない」人だと感じていて。1歩の意味をちゃんと考えて歩く人だと思うから、一気に歩いてたどり着いたけど何を考えながら歩いたか忘れる人より強くなる。1歩ずつ、でも確実に歩く、そうやって優馬くんは演じる度に役を掴む技量を身につけてきたんだなあって。未来で実る生き方を「1歩ずつしか上がれない」と言う優馬くんを心の底からカッコイイなと思ってます!やっぱり最高の自担だ!
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……ちょっと余談。やっぱり舞台はいいなあ。目の前で顔を見て、声を聞いて、セリフとその空気感を感じる。生の世界。それがどれだけ幸せで満たされるか。1回見ただけでそれを思い出す。ごちゃごちゃ考えてても、その1回見るだけで全部浄化される。だからこれからもまたその1回をただただ楽しみにしていたいなあと思ってます。私の次はいつだろう。
はやく優馬くんに会いたいなあ。