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君の名は希望

どんな時も君がいることを信じてまっすぐ歩いて行こう

星に願いを

私の担当、中山優馬くんは「星のような人」だ。

ジャニーズ事務所に入り、たった数年でアイドル街道を駆け上がるように、デビューした。
順風満帆に見えて、一筋縄ではいかなかったそれからも、優馬くんはジャニーズ事務所のアイドルとしてい続けた。
そんな当時15歳だった幼い優馬くんも、もう22歳。
あの頃からは想像もつかないような未来がやって来ている。私は誰かに囲まれ、仲間と共に歩いている、そんな未来を想像していたし、それを願っていた。だけど、今ある現実では、優馬くんはひとりだ。
ソロ活動という先の見えない道を、今は一緒に歩いている。それはまさに手探りで、先は優馬くんの背中以外何も見えない。
それでも優馬くんの背中だけを追って、優馬くんが力強く前を歩いているから、迷わず立ち止まらずここまで歩いてきた。
それもぜんぶ。優馬くんだからだ。
優馬くんだから信じられる。優馬くんとだから強くなれる。
私はいつもそう思っている。
アイドルを応援するとはそういうことだ。
おたくとは常に応援するアイドルと共にあると思う。
私はそうやってずっと続いていくんだと思っている。
 
でも、そうじゃない場合もある。
おたくではなく、ある日突然アイドルが歩みを止めたときだ。
世間がオリンピックに沸く中、突然歩みを止めたアイドルを目の当たりにしたとき、5月にあった舞台「それいゆ」で五味役を務めた金井勇太さんの言葉を思い出していた。
優馬くんのことを「星のような座長」と紹介してくれたのだ。
この言葉がとても印象に残っていた。
そしてふと思い出した。
本当にその通りだよなあと思って。
優馬くんは「星」の人だ。
夜道を歩いていて、街の眩い灯りからふと視線をあげると飛び込んでくる星のような。
自分で見上げないと気づけない星のような。
立ち止まって見上げた人にだけ分かる宝石のような。そんな人。
星自身は強烈な輝きを放っているのに、自らでは主張せず、私たちの目に入ってくる輝きはささやかで、控えめで。そして、それまでに絶対的な何億光年もの距離がある。
この距離だから丁度良い輝きなのかもしれない。
絶対に届かないから、あんなに綺麗に煌めいて見えるのかもしれない。
私は優馬くんを見る度にそう思う。
一方で、「太陽」の人もいる。
希望の象徴で、どんな人でも照らしてくれる明るさがあって、誰に対しても平等で、強くて強烈な存在。
その人がいるだけで世界が明るくなって、いなくなると暗くなってしまう。そんなまぶしくて、みんなが見上げる存在。
でも皮肉なことに太陽は眩しすぎて見えない。まぶしすぎるあまり、目に入らない。私たちが受け止められるのはその光だけ。
そして容赦なく、望まない人も照らしてしまう。無自覚に、影を作ってしまう。
もしかしたら影にいる人にとっては、その熱さも、まぶしさもぜんぶ傲慢に見えるのかもしれない。
そういう人のために、星はあるのだなあと思うのだ。
こっちを見てと主張することもないし、太陽みたいにみんなが気づくわけじゃないけど、でもどんな時も頭上にあって、見上げた日も下を向いて歩いた日も、きっと変わらず輝いている。
そして見上げた日には、その輝きでそばにいるよって知らせてくれる。
そんなささやかで、控えめで、それでいて見上げた日はご褒美みたいに綺麗で。
見上げた人にだけ。気づいた人にだけ。
惜しみなく降り注ぐ煌めきがある。
私は優馬くんはそんな人だと思っている。
だから金井さんが星のような座長と言ったとき、優馬くんにピッタリだと思って、そんなアイドルもいていいんだと思った。
アイドルみんながみんな、太陽とは限らない。
太陽みたいに自らが発光して明るい世界を作る人も、星みたいに暗い世界を明るく照らしてくれる人もいるだろう。
でもどちらも照らしてくれることに変わりはなくて。
私の光であることは間違いないのだ。
そして、その光は、私たちの元に届くまで何億光年もの距離をたぐり寄せているのだ。
さらに太陽は、熱くて眩しいから誰も近づけない、孤独な戦いを強いられている。
星は、たくさんの小さな星屑たちの輝きを犠牲にして自分の輝きを空に映している。
こうやってそれぞれ何かを失いながら、光でいてくれているのだ。
 
その光が、暗く翳る時。
私たちは何ができるのだろう。
太陽が、燃え尽きる時。
太陽が隠れて、雨が降りしきる時。
星が、儚く散る時。
星が雲に隠されて、曇る時。
遠くから見上げる私たちは、
どうすればいいのだろう。
光を失った時。
私たちはどうやって生きていくのだろう。
光のない世界は。
どんな世界なんだろう。
いつまでも私たちの頭上にあると思っていたその光が。
見上げればいつでも見えてたその光が。
私たちが消えてなくなっても、そこにあり続けると思っていたその光が。
突然見えなくなる。
世界から誰もいなくなったようなそんな虚無感。
世界が終わる時ってきっとこんな感じ。
その日は何の前触れもなく、突然来て、突然終わる。
それを思い知らされた。
太陽だって、星だって、生きている。
いつかは消えていくのかもしれないし、いつかは燃え尽きるのかもしれない。
私たちと一緒で、永遠じゃない。
あまりにも遠すぎるから、毎日頭上にあって輝いているから。
そう思えないけど。
私たちはそれを知らなければならない。
知った上で、見上げなければならない。
そして、見上げる度に思い出さなければならない。
今日も照らしてくれること。
世界が明るさで満ちていること。
いつか暗闇になってから分かるその前に。
今ある光をちゃんと見つめるべきだ。
 
優馬くんが、星として私の頭上にいてくれること。
優馬くんがこの空で輝くことを選んだこと。
見上げれば、優しく私を照らしてくれること。
下を向いた日も、変わらず頭上にあること。
それは小さな軌跡と奇跡の積み重ねであって。
当たり前じゃないことをちゃんと知っておきたい。 
見上げる人としての、光を享受する人としての。
使命でもあると思う。
いつか、その日が来ても。
散りゆく時が来ても。
もう世界が終わってもいいと思えるように。
一緒に終わりを迎えたいと思えるように。
今ありったけ、見上げられるうちに。
何億光年分の光を、今日も見上げたいと思う。
 
それから、今はただ。長い間太陽として照らし続けてくれた、ひとつの大きな大きな光を失ったことをすごくすごく悲しく思います。
どうか最後くらい、美しく散ることができますように。
そして。私の星に、願いを。どうかいつでも笑っていますように。こんな時にも願うことしか出来ないけど。星に願いを、託します。