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君の名は希望

どんな時も君がいることを信じてまっすぐ歩いて行こう

ドリアン・グレイの肖像を読みました

ドリアン・グレイの肖像 (新潮文庫)

ドリアン・グレイの肖像 (新潮文庫)

今年の夏に優馬くんが主演を務める舞台、ドリアン・グレイの肖像の原作を読んだ。
大まかなあらすじだけは知っていたが、作品に触れるのは初めてで、少し古めかしい言い回しや、難しい文体に多少苦労したが物語の内容的にはすごく面白かった。
実際に舞台を観劇する前に読み返すだろうことを頭に置いて、丁寧に思ったことを残しておこうと思う。

全部を読み終えてすぐの感想は、シンプルに''怖い''だった。
最後が近づくにつれページをめくる手も止まっていたし、どうしてもドリアンの最期を見るのが怖かった。
私には出てくる登場人物全員が狂ってるように思えて仕方なかった。
自分の美しさが永遠でないと知って絵に嫉妬し始めて以来、異様なまでの美への執着心を持ったドリアンも、ドリアンの美しさに魅了され、彼は僕の全芸術だとドリアンを崇拝してあの絵に魂を注ぎ込んだバジルも、純粋無垢だったドリアンに自分の美しさといつかそれは失われていくことを教えたヘンリー卿も、ドリアンを愛してしまったあまりに演技の中の愛を演じることが出来なくなってしまい、彼に見放され絶望の淵で死んだシヴィル・ヴェインも、姉を死に追いやったドリアンを18年も追い続け殺そうとしていたジェイムズ・ヴェインも、みんなみんなどこか狂っているのに飄々としていてそれが怖い。
すごく異質な物語な感じがして、読み終わった後にこれを優馬くんが演じるんだと考えたら気合を入れなくてはと思った。

簡単に飲み込めるような物語ではなく、繊細で純粋なドリアンがゆっくり確実に壊れていく過程は、たまに見逃しそうになるくらい些細で緻密で、それでいて複雑だった。
心の機微がハッキリ表れてないのに、ドリアンの中ではハッキリ壊れていくような気がしてなんだか私には霧の中にいるみたいな感覚が残った。
それはきっと私の理解力が欠けているからという部分もあると思うが、でもそれが逆に優馬くんはどんな解釈をしてどうドリアンを自分の中に吹き込むのか、の答えが聞ける気がしていて楽しみでもある。
優馬くんに正解を教えて貰いたい。

そして私が一番このシーンの優馬くんを見たいと思ったのは、ドリアンがバジルを殺す瞬間だ。
もうこの時すでにドリアンの肖像画は醜く様変わりしていた。
つまりドリアンはすでに背徳を重ねていて、バジルが好きだったドリアンはもう存在していなかったのだ。
でもバジルは信じていた。ドリアンは無垢で純粋で真っ直ぐなままだと。
そんなバジルに憎悪を抱いたドリアンが人間らしさを失った瞬間に、ゾッとした。
人間らしさを失って動物の本能だけで動いたドリアンが無我夢中でナイフを突き刺す、その狂った姿でもあの美しさは保たれていて醜くなっていくのは絵の中だけ。
人を殺してる姿さえ優馬くんなら美しく狂ってくれるのだろうなと今から楽しみでたまらない。

他にもぜひ声に出して読みたいセリフもたくさんあるのだけど。どれも優馬くんにとても似合う、優馬くんのことなのではないかと言うほどのピッタリ加減で本当に楽しみだ。
優馬くんのためにあるようなこの物語と、優馬くんが出会えた事実に震えるし、きっとこれは運命だったんだとも思える。
美というものは天才の一つの型なのだ。
作中に出てくる言葉のひとつだが、このセリフがもうまんま優馬くんを表している。
そうだ。優馬くんの美しさは才能なのだ。
この作品は「美しさ」に異様なまでに執着して、固執して、永遠を求めている。儚いからこそ散りゆくからこそ「美しい」なんてそんな綺麗事を振り払うように永遠の美しさを追い求めて狂っていく。そして絵と引き換えに本当に永遠の美しさを手に入れる。それがどんなに狂っていても衰えない美しさを手に入れたドリアンは天才なのだ。
そんな一種の才能であるとまで言わせる「美しさ」を身にまとっているドリアンを演じる優馬くんに全然違和感がない。むしろ衰えない美貌を持つドリアンにふさわしいと思える。
つまりそんな美しさを身にまとえる優馬くんも天才なのだ。

原作を読んでみて、本当に楽しみしかなかった。自分の美しさと若さを自覚している優馬くんなんて、その自分の美しさで自身を破滅に追い込む優馬くんなんて、最高でしかない。優馬くんの美貌をこんなにも活かせる役がまわってきたことを心から感謝するし、幸せだ。
美しさ故に狂っていく、どこまでも深い闇をたずさえたようなドリアン・グレイが優馬くんの中でどう生きていくのか今からすごく楽しみだ。
優馬くんは闇を背負えば背負うほどゾクゾクするような表情で美しさを増すから、この目でその瞬間を見たときは優馬くんの美しさという凶器で頭を殴られたほどの衝撃を感じたい。
優馬くんの狂った美しさに酔いしれたい。
これでもかというほど優馬くんの美しさという才能を目の当たりにしたい。

今年はきっと、そんな夏になる。
ドリアン・グレイと共に駆け抜ける優馬くんの夏をとても楽しみにしています。