君の名は希望

優馬くんの名前は希望と今 知った

山田菜々さんの卒業の話。

山田菜々
NMB48に初期から所属するメンバーで、さや姉、みるきーと並んで3トップと言われてきた中心的存在。
一番年長で、メンバーにはおばさんとイジられるが、特徴的な声と壊滅的なお笑いセンスでメンバーいちの愛されキャラとして4年間グループを支えてきた。

そんな彼女が、卒業を発表したのは去年の10月15日だった。
そしてあっという間にもうすぐ彼女が卒業する日が迫っている。

私が彼女を認識したのは、確かではないが彼女が中学3年生の時。(ちなみに私は小6)
当時彼女はNMB48ではない他のグループに所属していた。
別に彼女が好きだったわけではない。
ただ優馬くんの姉だったから。理由はそれだけだった。
優馬くんが好きで、優馬くんのお姉ちゃんだったから興味を持っていた。
それはNMB48に所属してからも変わらなかった。
「優馬くんのお姉ちゃんがNMB48で活動している。」というだけで、もちろん好きだけど、他よりは興味はあるけど、CDを買うとかラジオを聴くとか優馬くんと同じ熱量で追いかけたりはしなかった。

だから菜々ちゃんが卒業を発表をした事も、驚いたけど、それほど衝撃的なことではなかった。
そんな私が某動画サイトで菜々ちゃんの卒業発表の時の映像を見たのは、
何となく、かもしれないし。菜々ちゃんだから、かもしれない。
だけど結果的に私は一瞬で菜々ちゃんに惹かれた。
優馬くんを初めて見た時と同じ感覚だった。
この時が初めて菜々ちゃんをちゃんと見た時なのかもしれない。

よく見てみると、とても優馬くんに似ていた。
広くて形の良いオデコも、ハッキリと一直線に伸びる眉毛も、少し厚めの唇も、笑うと瞳がきゅっとなくなるところも。
あと、たくさんの人に愛され輪の中にいるところも。
そしてなにより、大きくてアーモンド型の綺麗なモノしか映さないような透き通った目がすごく似ていた。
ああ、同じ目をしてるなあ、と思った 。

卒業を発表した後、ファンやメンバーからの悲鳴やざわめきをゆっくり受け止めて、それからすぐに変わった温かい言葉たちを噛み締めるように周りを見渡した菜々ちゃん。
とても柔らかくて穏やかで、それでいて強く何かを決意している。そんな表情をしていた。
ハッキリと力強く紡がれる言葉は、どれもすごく前向きでひたすらに未来を見ている言葉だけだった。
そして、全部話し終わった後、一斉に「なーなちゃん!」と多くの人の声に包まれた菜々ちゃん。
嬉しそうに、噛み締めるように、大きな瞳を観客に向けてファンの方を眺めた後、菜々ちゃんは振り返って活動初期よりずいぶん増えたNMB48のメンバーをゆっくり見渡した。
それはまるでこの時間を焼き付けているみたいに大事そうに、愛おしそうに。
そしてなり止まない菜々ちゃんコールを一身に受けながら、前を向いた最後だけ少し涙を堪えた表情をしてうつむいた。
その瞬間だけは、ひたすらに未来を向いていた彼女の寂しさを感じて、今までの菜々ちゃんを知らないのに思わず泣きそうになった。

でも私が一番グッときたのは、
渡辺美優紀さんが「卒業すんのやめて」と言った時だった。
いつもの高い声で「ええ〜」と困った声で応えたあと、「……でも、もう決めたのでね。ここがゴールではないので。」と力強く言い放った菜々ちゃんがとても綺麗だった。
そして、優馬くんに似ていた。
この姉弟はとても似ていると思った。
自分の中で絶対にブレない強い軸を持っていて、誰よりきっと自分を信じている。そして一番は、強く自分の足で立っている。
そんなところがとても似ていると思った。
そしてこの姉弟は何か覚悟や決意を秘めた時に、より一層輝きを増して、美しくみえるのだ。
そう確信するくらいこの菜々ちゃんはとても美しかった。
そんな「美しさ」が私は好きだ。
一番好きなところが優馬くんに似ていた菜々ちゃんを私が好きにならないはずがない。
人に夢を与える華やかなアイドルという仕事をしているのに、背負ってるモノや覚悟は華やかとはかけ離れている。そんなものをひょいっと背負うこの人達はどうしようもなくかっこいい。

こうやって私が菜々ちゃんに興味を持ったのは、卒業がきっかけということがとても皮肉で、少し悔しいけど、でもそれ以上に少しでも間に合ったことが嬉しい。
少しずつ知りはじめた菜々ちゃんの事も、NMB48の事もこれからもっと知りたいと思っている。
でも最初の出会いが優馬くんを通している限り、これからも「優馬くんのお姉ちゃん」という認識は消えない。それでも前より鮮明に菜々ちゃんが見える気がする。フィルターがひとつとれて菜々ちゃんに一歩近くなった気がする。
だから、強くて凛々しくて美しいこの姉弟のこれからと、菜々ちゃんをちゃんと認識しだした自分の変化にとても今ワクワクしています。

まずは3日後、菜々ちゃんに訪れる卒業という門出をお祝いしたいな。
晴れやかなそれでいて決意に満ちた瞳をしていることを願います。