君の名は希望

優馬くんの名前は希望と今 知った

自担が退所を考えていた話

毎月第一金曜日に掲載されるスポーツ報知の連載に、優馬くんの番が回ってきた。
ジャニーズタレントを対象にしたインタビュー記事で、話題は主に優馬くんが出演する舞台「ABKAI2017」と「にんじん」のことについてだった。
優馬くんはこういうインタビューで、ファンが知らなかったことについてポロっと漏らす節がある。
今回も例に漏れずそれだったんですけど、いつもより印象的だったのでつい考え込んでしまったんですよね。

インタビューにはこう書いてあった。

俳優を目指すようになってからは、ジャニーズ事務所を退所しようと考えた事もあったという。
「今はもちろん事務所にすごく感謝していますけど、入る事務所を間違えたんじゃないかと思ったり。でも、そのとき家族に言われたんですけど「俳優の事務所に入っても、なかなか俳優業をするのは難しい。今の事務所にいれば、俳優になる道も近道としてあるんじゃないか」って。そうだなって思って、この事務所のまま俳優をやっていきたいと思うようになった。」

優馬くんはつくづく素直で誠実で、嘘のつけない人だなあと思った。自分を良く見せようと言う欲がないというか、あくまでも飾らない自然体な人で。
その素直さが時々痛々しく見えたり、胸がえぐられたりするんだけど、優馬くんが見えない時にはその素直さに安心する時もあって。
こういうことって今回だけじゃないんですよね。何回もあるし、毎回覚えている。そう思うと、優馬くんってずっと変わらないなって。
昔から素直で良くも悪くも嘘のつけない、アイドルには決して向いているとは言えない性格。最初はそう思っていたんだけど、素直であってもあの時そう思っていたんだって後から知ることが多くて、しかも事実として淡々と語るのが優馬くんのクセだと気付いた時、とてもプロだなとも思った。
優馬くんの場合いろいろ特殊だから言いたくても言えないこととかたくさんあると思うけど、ファンの知りたいっていう欲望をきちんと後からでも満たしてくれるし、自分の思いとして残してくれるからアイドルとして誠実な人だなと思う。
まあ素直すぎるから知らない方が良かったことも、知りたかったこともどちらも受け取れてしまうんだけど(笑)
でもそういう全部伝えちゃう不器用なところもすごく人間ぽくて好きだったりもする。

ただ今回のこのインタビュー記事は、正直自分でも知りたかったのか知りたくなかったのか分からない。
一番近いので言うと、知りたかったけど知るのが怖いから知りたくなかった、がたぶん正しい。
でも優馬くんが正直に話したからこの際ちゃんと自分でも考えてみようかなと思って。

私は、かれこれ小学生の時から優馬くんを応援している。
そして大学生になったいまもヲタクなわけだが、もはやここまで来ると生活の一部になっているし「ジャニヲタ」は私を構成するアイデンティティーのひとつとさえ思えてくる。
でも、優馬くんがソロ活動を始めて、俳優業に力を入れるようになってから何度も考えた事がある。
優馬くんにジャニーズ事務所という場所は合っているのだろうか。」……本当に何度も思った。
俳優がやりたいんだったらここじゃない場所がもっとあるんじゃないか、他だったら優馬くんのやりたいことがもっと出来るんじゃないかって、今の場所を窮屈に思うのだ。
その度に思いだすのは、優馬くんの言葉だった。ソロコンのオーラスで照れながら「ジャニーズ事務所に入って良かったと思っています」と言った言葉だ。
その言葉はきっと本心だったのだと思う。本当に恥ずかしそうにこっそり教えてくれた優馬くんが本当に愛しかったし、誇らしかった。
ちゃんと信じられる顔をしていた。心の底からそう思っている、そんな顔だった。きっと今も、そう思っている。
だから窮屈に思って、ここでいいんだろうかって心配する度に、あの時の顔を思い出してはあの優馬くんを否定したくないって思ってきた。
だけどほんの一瞬でも、優馬くんも退所について考えたことがある、それを知っただけで私は胸が痛くてしょうがなかった。
そうか。優馬くんも考えたことあるんだ。いつの話だろう。いつ、そんなことを思いながら仕事をしていたんだろう。
そうやって今までの優馬くんを思いだして、あの時だろうか、この時だろうか、いろいろ考えを巡らせてしまう。
だから知りたくなかったのかもしれない。だから怖かったのかもしれない。

そして、もし、本当にやめていたらどうだっただろうか、とも考えた。
優馬くんがジャニーズじゃなくなる。そうなったとき、私の中で何か変化は起きるだろうか。
答えはたぶんノーだ。何も変わらない。
ジャニーズだから優馬くんが好きなのか、そう考えるとはっきりしてくる。別にそうじゃない。
私はただ、中山優馬が好きだ。優馬くんが歌おうと、踊ろうと、お芝居しようと、どこの事務所にいようときっと同じだと思う。
私は優馬くんがジャニーズじゃなくても、きっと違うどこかで好きになっていたと思う。応援していたと思う。
ジャニーズも、アイドルも大好きだし、生活に潤いを与えているのは間違いなくジャニーズだけど、それはそれで。
好きになったきっかけもアイドルをしていた優馬くんだったけど、それでも。
あくまでも優馬くんの「ジャニーズ事務所所属」は、今の私にとって付属品でしかなくて。いろんなもの取っ払うと、ヲタクとして大切なのは優馬くんだけだ。
だからたぶんあの時、優馬くんが家族に相談する前に退所を決めていたとしても、私は変わらなかっただろうなと思う。
もちろんアイドルの優馬くんも大好きだし、歌って踊るアイドルという職業も大好きだ。だから惜しくなるし寂しいとも思うし、もったいないとも確実に思うけど、だけど結局いちばん好きなのは優馬くん自体なのだなあと、今回この記事を読んだときに思った。
アイドルが好きの前に、ただ単に優馬くんが好きという感情の方が先にくるようになった自分に気付いたときはちょっと不思議な気持ちだった。
アイドルとして見つけた優馬くんを好きになったはずなのに、ね。
そしてヲタクって意外と単純な感情で動いているんだなあと思わされた。
もちろんファンにもいろんなスタンスがあると思う。アイドルじゃなきゃ意味がないって人もいるだろうし、アイドルだから好きだっていう気持ちもすごく分かる。なんなら私もそのタイプだと思っていた。それくらい私にとって「アイドルであること」は大きい意味を持っていたし、アイドルに対して尊さだったり憧れを抱く気持ち自体が好きだった。アイドルってすごいんだって思わされる瞬間が好きだった。
でも私はいつの間にかそういうアイドルを応援する事の魅力を優馬くんで感じられなくなっても、好きで居続けられるようになっていたんだなと知った。
優馬くんが言ってくれて初めて気付いた。
今回この事に気付けたのは自分にとってすごく大きかったなあ……

それから、きっと「退所」ってすごくナイーブな話だと思うし、所属するタレントは誰もが一度は必ず頭をよぎるんだろうなと思う。
特にジュニアは切っても切れない話だと思うし、現に私も長いジャニヲタ生活のなかで何人もの子がステージを降りるのを見てきた。
本当に突然、辞めますも辞めましたもなくいなくなっている、この決断はその子自身にとってもその子のファンにとっても耐えがたい怖さだろうなと思う。
ただ優馬くんは入所して割とすぐ最前線に立たされ、あれよあれよとデビューしたから、ジュニアと言える期間は決して長くなかった。
だからきっと「退所」についてあまり考える時間もなかったんだろうなと思う。考える時間もないまま大人になって、気付けばジャニーズWESTもデビューし、ソロ活動をするようになってじっくり考える時間が出来て。その時初めてここで良かったんだろうかと立ち止まったんだとしたら、やるせないなあとも思う。
もうここまで来ちゃったら後に引けないってのも絶対あったと思うから。優馬くんがジュニアだったら、もしくはもうちょっとじっくり成長できる場があれば、もっと「退所」について柔軟に考えられたし、活躍できる場所は他にもきっとあるよって思えたのに。
でも今やジュニアだけの問題でもなくなって、デビューした未来が約束されていると思っていたタレントですら、辞めていくのが現実だ。
決して優馬くんだけに言えることじゃないし、優馬くんだけの問題でもない。それくらい誰にでもありえる話になっている。
ただデビュー組の場合はより「ジャニーズ」として芸能界で認識されることが多い点で、退所した後のことも慎重に考えなくてはいけないし、余計に退所は大きな問題だろうなと思う。
それでも退所を考えた優馬くんは、どれほど悩んだのだろう。どれほどいろいろ考えたのだろう。

それを思うと私はこの話を、そうだったんだ、と簡単に流せない。
たぶんずっと思い出すし、今はそうじゃないかなとずっと考えてしまう。
でもやっぱり知れて良かったと思う。そんな時もあったんだって怖くなったけど、知らない方がもっと怖かったと思うから。
何も知らないまま、もし退所していたら、と思うとゾッとする。
(まあ今回のは退所しなかったから言えた言葉でもあるとは思うんだけど)
それに知ったからこそ、いま優馬くんがジャニーズ事務所に所属していることの重さも知れた。
優馬くんが事務所に残って俳優をすることを決めたのであれば、私もその挑戦を応援したいし、優馬くんがこの先、この事務所だから出来たんだっていう仕事にたくさん出会えたらいいなと思う。
そうやって優馬くんと一緒にジャニーズ事務所にいる意味をいっぱい見つけていきたいなと思う。
そしていつかこんな素直で不器用で嘘のつけない人が、成功する世界を見てみたいなと思います。

連続ドラマW 「北斗-ある殺人者の回心-」

記事にするまでにずいぶん時間がかかってしまいました。
それくらい優馬くんのお仕事の中で、一番真剣に向き合った作品だったなあと思います。
こんな膨大な思いを受け取るドラマ初めてでした。
2016年の夏の優馬くんの全力が詰まっていた。
北斗として生きた優馬くん、本当にすごかった。
優馬くんに「俺のやりたいことはこれなんだ」って挑戦状叩きつけられたみたいな、生半可な気持ちじゃねえぞっていう覚悟を見せつけられたみたいな気がした。

私は大阪の試写会で見た北斗がいちばん最初だったのですが、しょっぱなから飛ばしてるなあと思わずにはいられなかった。そしてふたを開けてみれば最初だけでなく、最後まで容赦がなかった。
暴力や、殺人の描写なども一切妥協せずに、細かく描いていくスタンスが確かに今のドラマでは見ないなと思った。まるで映画のような濃厚さで、毎回一時間があっという間だった。
そして、何より絶妙な話数だなあと思った。
ドラマでいうと5話って決して長くないし、民放でいうとちょうど折り返し地点くらいだから、この分厚い原作を映像化するには足りないと思えるけど、これが絶妙にちょうどいいのが驚きだった。
限られた話数だからこそ無駄なシーンが一切なく、必要なシーンのみで構成されているので、最後まで緊張感の続くしっかりとした作品になっていた印象だった。
そして何よりこの話数に、ぎっしりと熱意が詰まっていたのがすごかった。監督の情熱とキャストスタッフがこれに全力で応えた掛け合いが、ちゃんと作品の熱として表れていた。本当に、画面からはみ出しそうなくらいの熱さに胸がチリチリと焼ける感覚だった。
同時に、これはWOWOWだから実現できたんだろうなとも思った。映画ではちょっと時間が足りないし、民放はこの熱量でできる場所ではないし、そう考えると適した場所だなあと思う。見てもらえる人は限られてくるだろうけど、でも見た人には確実に胸に刺さるクオリティーが出来たように思える。
そしてこの内容的にも、躊躇せず思いっきりできるのは今のテレビ業界ではWOWOWしかないんだと、だとしたらやはり特殊だし、唯一無二の場所だなあと納得できた。

ドラマの内容に対しては、原作に忠実だなと思った。
多少削っている描写だったり、登場人物もいるが、原作の満足度と差して変わらなかった。
キャストも本当に原作から出てきたみたいにピッタリで、私は特に綾子さんが大好きだった。
あの優しくて力強い声が、北斗くんって呼ぶ度に私まで嬉しくて、物語の中の唯一の光だった。
優馬くんが宮本さんの声が好きだって言ってた気持ちがすごく分かるし、「お母さん行かないで」って言っちゃう気持ちもすごく分かる。それくらいただ声を聞くだけで安心できる存在だった。
他にも、キャストそれぞれに存在感があったし、見どころがあって楽しめた。
優馬くんに関して言えば、正直言うと原作を最初に読んだとき、優馬くんのイメージはないなと思っていた。
全体的に薄い印象の、あまり雰囲気のない人。北斗くんにはそんな印象を持っていたので、優馬くんに合うのかなあと思っていたくらい。お顔も中性的で色白でどちかと言うと塩顔系の男の子ってイメージを思っていたし。
だけど、そういう次元じゃなかったなと後から申し訳なく思った。
優馬くんは合ってる合ってないじゃなくて、どれだけ自分のモノに出来るか向き合っていた。だからこそイメージは違くても、細かい描写や北斗くんがまとっている雰囲気がすごくリアルだった。
そこにリアリティーがあるから、他のイメージなんて勝手に付いてきた。もう今じゃ北斗くんは優馬くんの顔で思い出されるし、優馬くんの感情が読めなさそうな硬質な部分と、北斗くんの神経質で潔癖そうな部分がすごくマッチしていたなあと思えます。

物語の中で私が一番印象的だったのは、一話から二話への流れでした。一話での留置所の北斗くんはまったくと言っていいほど何も話さず、話したのはただ一言だけ「死刑にしてください。」のみ。感情の起伏と言えば「不幸な生い立ち」に触れられた時くらいで。そうやって一話は主人公の感情がまったく分からないまま終わっていく。そして二話からは徐々に情報も増えて行き、北斗くんがどんな子でどんなことを経験してきたのか、丁寧にゆっくりと描かれていく流れになっていた。私は、一話では「殺人を犯してしまった人」でしかなかった北斗くんの生い立ちを高井先生と辿っていき、どんどん人間らしい普通の人と変わらない北斗くんを知っていく流れがうまいなあと思った。二話で母に対して怒りをぶつけたり、綾子さんを試して泣いたりと、感情を露わにする北斗くんにすごく新鮮さを感じ、こんな表情するんだ、こうやって叫んだりするんだと驚いた。それくらい一話の北斗くんは静かで空っぽで。だからこそ二話での人間らしい北斗くんとの対比が大きくて面白いなと感じた。
また主人公はもちろん北斗くんだから、ほとんどが北斗くんの生い立ちや変化がメインで、途中まで見ているとどうしても北斗くんに肩入れしてしまう。不幸な偶然が重なっただけ、暴力の芽を植え付けたのは両親だ、とどうにか擁護したくなってしまう。だけど後半になり、裁判が始まるとハッとさせられるのだ。今までは北斗くん側から物語を追い、北斗くんが暴力の「被害者」のように見てきたが、まったく逆の物語も存在することに気付かされてしまう。北斗くんが奪った人生もまた存在していて、北斗くんは「加害者」なのだと気付いた瞬間、物語はとても複雑になる。北斗くんが奪った命を大切にしていた人たちがいる。北斗くんが綾子さんを大事にしていたように。
どうしようもないループに陥るところは原作と変わらないし、むしろ原作よりも密度が高く迫ってくるような気がした。

私には原作の結末は「希望」だと感じると、このブログに記した。
ドラマはまた少し違っていたように思う。
もっともっと人間の本質に迫ったような最終回だった気がしたからだ。

特に裁判が始まってからはそれがすごく顕著で。
1日目は、生きることを諦めたような人で、血が流れていないみたいな真っ白い顔をしている北斗くんが、日を追うごとに徐々に目に光を宿し始め、自分の中の感情に戸惑い苛つく姿が痛々しくて、でもこれは北斗くんが生きてる証なんだからと私も歯を食いしばって見守った。
そしてラストの意見陳述のシーン。
口に出していいのか、本当に言ってもいいのか、迷いながら高井先生を見つめた北斗くんの姿が印象的で。
何を言うのかと身構えたら、人間として当たり前の、ごく自然な「生きたい」という感情を、ポツポツと語り始めて。
「身体が生きようとするんです。」
「生きて罪を償いたい。」
北斗くんが嗚咽を噛み殺しながらもらした本音に、胸がギュッとなったと同時に「ああそうか、北斗くんはずっと生きたかったんだ」と思った。
だから家を飛び出した日も、自動販売機に縋ってしまったし、綾子さんが亡くなったあとも復讐のために生きたんだと腑に落ちた気がした。
「生まれて来なければよかった」「僕は悪魔の子だ」「事件を起こしてから死ぬことばかり考えていた」「死刑に値する人間だ」そうやって自分を否定し続け、存在価値を自ら排除してきた北斗くんだけど、心の奥底ではきっと誰よりも「生きたい」と望んでいたんだ。
そして、すべての人が持ってて当たり前の「生きたい」という願望を、今までずっと隠しながら生きてきたんだと気づいて、すごく悲しくなった。
北斗くんは「生きる」ことを権利だと知らずに生きてきたんだ。誰かに与えられるものだと思って、自分の意思で決められないと思って生きてきたんだ。
生きていることを後悔しながら生きてきたんだ。
それは、どれだけ苦しかっただろうか。
そんな北斗くんが、自分の命を賭けた裁判で初めて「生きたい」と口にした。
自分で「生きる」ことを選べた。
人間の本能的な、普通の人だったら持っていても気づかないくらい当たり前の単純な感情。
でも口にしたことで何かから解放されたような北斗くんの表情にはグッとくるものがありました。
そして今までタイトルバックが鮮明な赤だったのに、最終回だけ透明になっていたのもそういう意味があったのかなあと。
北斗くんが揺らぐことなく「生きたい」と自覚し変わったことで、「悪魔の血」という真っ赤な不純物が取り除かれて、ただただ透明な北斗くんの思いのほうが勝ったということの表れのような気がしました。
ドラマの方がそういう意味では明確なゴールを持っていたから、ズシンときたなあと思います。

そして最後は優馬くんについても。
この作品に優馬くんが主演として関われたことは、今後の優馬くんの俳優人生でも大きな強みになるだろうと確信しました。
演技が上手い下手とかの次元ではなく、端爪北斗として存在しようとしていた、本気で端爪北斗になろうとしていた。
一瞬でも中山優馬ではなくなっていた。
この経験はすごく大きなものになるだろうなあと。
これから演じる役にもぜんぶ、北斗くんは活きていくんだろうなあと思います。
最初の方にも言いましたが、演技が好きで、俳優をやりたいと常々言っている優馬くんの本気を見せられたような、彼の覚悟を感じました。
どんな俳優になっていくのか楽しみになったし、もっともっと色んな役と出会う優馬くんが見たいです。
WOWOWドラマがどれほどの人の目に止まっているかは分かりませんが、もしかしたらそんなに多くないかもしれないけど、見た人の中に優馬くんの印象が残って、次の仕事に繋がって欲しいなと強く思っています。
いや、絶対繋がる作品だと思っています。
だからこそ、また次優馬くんを映像作品で見るのがとても楽しみです。
優馬くんがまた次もこんな密度の高い作品に出会えますように。

愛しい私の『それいゆ』について。

初演から数ヶ月。
こんなにすぐ淳一先生に会えると思わなかった。
初演からたった数ヶ月。
こんなに濃密に変化すると思わなかった。
私にとって、すべてが予想外の「再演」でした。
初演を見た時から、ずっと胸の中にあり続けるだろうなと確信するほど、静かで、激烈な感情を覚えて。
再演でまた私は何を感じるだろうと、楽しみにしていたけど。
予想外で、予想以上でした。

再演で感じたのは「愛しさ」だった。
キャラクターに対しての、愛情だった。
ちょっとビックリした。
正直に言うと、初演ではまったくと言っていいほど淳一先生に共感ができなくて。
もちろん先生の生き方に感じるものはたくさんあったし、確かに「美しい」と思えた。
でも桜木さんじゃないけれど「私は先生とは違う」とも思っていた。
どちらかと言うと私も、桜木さんのように「求められたものを」というタイプだ。
だから初演の時は、少し理解するのに時間がかかったし、感情移入は、淳一先生の気持ちに寄り添うことは、最後まで出来なかったように思う。
だからこその尊敬でもあったし、天才だとも思えた。
それはそれで自分なりに間違いではないと思っているけど。
初演の淳一先生は私にとっては、やっぱりどこか「異質」な「変わった人」で。
私は淳一先生から離れていった、桜木さんや舞子ちゃん、山嵜編集長の方がよっぽど人間らしいと感じていた。
人並みに劣等感を感じて、世の中と折り合いをつけている人たちにどうしても人間味を感じていた。

そんな初演だったので、まさか再演で「愛しさ」を感じるなんて思ってなくて。
自分の中の感情に驚いた。
物語もキャラクターの設定も、大きく変わっているわけでもないのに。
「異質」で「変わった人」なことに変わりはないんだけど、前よりも圧倒的にチャーミングで、ひとが大好きでっていう人間味も感じたし、好きなものに対してまっすぐで純粋な無邪気さもあって。そしてなにより美しさだけを追い求める姿がグッと純度を増していて。
「変わった人だけど、可愛い人」っていう人物像がハッキリしていたのが印象的だったなあ。
淳一先生を形どる輪郭みたいなものが前よりも分かりやすかったような気がした。
だからこそ「可愛い人だなあ。愛しいなあ。」っていう感情に行き着いて、前よりずっと人間らしい淳一先生で、ああ私と一緒なんだ、淳一先生も人間なんだっていう「共感」にも繋がった。
そして普段は人当たりの良い、柔らかくて無邪気な印象を受けるからこそ、逆に孤独感だったり、ひとり深く堕ちていく闇が際立ってより淳一先生の葛藤や不安が浮き彫りになっていくコントラストも面白かった。
もちろん初演の淳一先生も素敵なんだけど、再演の淳一先生はもっともっと好きになれたなあ。
そしてそれは、優馬くんが初演を通して、淳一先生に対して愛情を深めたせいでもあるんだろうなあと思いました。
初演よりも圧倒的に淳一先生が馴染んでいたし、優馬くん自身が「中原淳一」に対して愛情と尊敬を持っているのが演技から伝わってきた。そしてその美しい淳一先生に近づくために、まさに淳一先生の言っていた「自身の生き方、魂を極限まで磨き上げて、純度を高めて挑む」を体現しているように感じた。
だから中原淳一という人の「容れ物」として、中山優馬はこんなにも適していたんだろうな。
優馬くんの演技、仕草、口調、視線ひとつひとつに丁寧さを感じて、まるで自分の中に存在する中原淳一を楽しんでいるように私には見えました。
それは淳一先生だけじゃなくて、他のキャラクターも同じで。みんな初演より輪郭がハッキリしていて「愛しさ」が増していました。
淳一先生の描く挿絵が何よりも大好きで、生きる希望で、それだけを頼りに生きていたのにストリッパーに成り下がってしまう舞子も、誰よりも歌が好きなのに、歌うことに臆病になり下を向いてばかりいる天沢も、淳一先生を誰よりも尊敬しそばで見守りながらも、先生と自分の価値観の違いに苦しむ桜木も、中原淳一を見出し自分が育てたことだけを過信しすがりつく山嵜編集長も、こだわりを捨て流行を真似て、淳一先生とは真逆の道をいく五味も、みんなみんな完璧じゃないからこそ魅力的で。
迷いながら、ぶつかりながら、うつむきながら、それでもまっすぐ前を向いて生きていく姿に誇らしささえ感じました。
きっとみんながみんな役のことを愛し、役と共に生きて、絆を育んできたんだろうなと思えるカンパニーで。
そしてみんな本当に「それいゆ」が愛しくてしょうがないんだろうなあ、と。
こんな愛に溢れた舞台を、生で体感できて、愛を受け取れて、観客である私も幸せでした。

そんな中でも、特に初演よりも純度を増しているなあと思ったシーンのことを残しておきたいと思います。
ひとつは、少女の友を降りた淳一先生に、少女の友に戻って挿絵を描いてよと舞子がすがるシーン。
ここだけじゃなくて全体的に日奈子ちゃん演じる舞子の純度が抜群だったんだけど、特にここは目立っていたなあ。
初演よりずっとずっと真っ直ぐで純粋だから、それゆえのわがままで独りよがりな思いも強くて。
ただただ淳一先生の画が大好きで、あの挿絵だけが希望で、なのにある日突然その希望すら奪われて、もう辛い現実しか残されていない悲しみでいっぱいで、その自分の悲しさをただただぶつけているみたいな盲目さも、幼さも、それすら愛しいなあ、美しいなあ、と思ってしまう。
舞子の真っ直ぐで純粋すぎる「わがまま」が、より一層淳一先生に憧れていて、淳一先生の描く挿絵が大好きなんだって伝わってきて胸がギュッとなったシーンでもありました。
日奈子ちゃん、見る度に毎回ポロッポロ泣いていたから、毎公演毎公演こんなに泣いてるのかなって思って、ああ本当に身を削って舞子として生きてるんだろうなって。
淳一先生も「舞子くん」って呼ぶ声が最後の方は荒くなって、なだめながらもどこか寂しそうな顔で舞子を見てるのが繊細で細かい演技だなあと思いながら見てました。

そしてもうひとつは、最後の淳一先生の独白のシーン。
「もう誰も美しさなんて求めない」と罵られ、自分の求めている理想を否定されて、もがき苦しみながら倒れたあと。
天沢さんに見つけられ目を覚ました淳一先生の錯乱した姿が痛々しくて苦しみが伝わってくるようですごかった……。
初演のときは、疲れたように静かに天沢さんに身を委ねるのが印象的だったけど。
今回は「僕は……この作品を完成できないまま消えていくのか……!」と叫びながらのたうち回る淳一先生で。
天沢さんに抱きしめられながら落ち着きを取り戻していく淳一先生が、なんとも脆くて危うい「人間」で、それがもうどうしようもないくらい愛しかった。
天沢さんに抱きしめられる淳一先生はどこか小さく見えて、あんなにキラキラした明るい人なのに、腕の中にいるのはこどもみたいにちっぽけなただの人間で。
すがりながら胸に埋まる淳一先生は、弱くて儚い普通の人間で。
初演よりももっともっと深みの増した、淳一先生の苦しみの表現が胸にグサッと刺さりました。
そして弱くて儚くて脆いのに、その姿はなによりも誰よりも美しく映って、ああこういうことなんだなって。
美しく生きるってこういうことなんだってスッと胸に降りてくるみたいな感覚も強くて。
表面だけの「美しさ」ではなくて、必死にもがいて、追いかけて、悩んで、戦って。そうやって一生懸命生きることなんだろうなって。
「美しい」って見た目の「姿や形」のことではなくて、そういう「生き方」なんだとこの淳一先生を見ていてありありと伝わってきました。
外見や外側ではない、内側からあふれる「美しさ」ってこんなにも眩しくて愛しくて切ないんだなあって知れた気がします。
そしてその「生き方」の純度が、もう本当にめちゃくちゃに高くて、不純物が一切なくて。こんなに必死なのに淳一先生はどこまでいっても「純白」で「清廉」で。
1度も染まらない、ずっと「真っ白」のまま。
信念を貫く「強さ」を他人にも求めてしまう傲慢さもあるけど、かといって他人を認めないわけではなく「こういう生き方もある」っていうことをきちんと理解していて、でもそれをこのままでいいのかと問いかけてしまうのは、純粋だからで。そんなたくさんの矛盾を抱えながら、いろんな感情と共生している淳一先生は強くて美しい人だなあと。
初演と変わらず、私が憧れている、淳一先生だなあ、と。
まあ、演じてるのが優馬くんだから、ただ単に見た目もすごく綺麗な淳一先生なんですけどね。でもそれと相まって、より一層内側から、その生き様からあふれる淳一先生の「美しさ」が際立っていたなあと思いました。言うなれば、美と美の相互作用みたいな。
ほんとうに美しかったなあ……。
「完璧な造形美」とは本当に「中原淳一」そのものだなあ、と。

そして初演の時からずっとずっと、心に残っているラストシーンのことも。
再演が決まったときからこの光景がもう一度見れるんだって楽しみにしていたんですけど、見た瞬間に焼き付けなきゃっていう猛烈な焦りに駆られて。
ああ私ずっとこの瞬間を待ってたんだなって思わずにはいられなかった。
あの美しい、完璧な造形美が最後ね、大輪のひまわりの海に囲まれるんですよ。
底抜けに明るい黄色のひまわりが舞台を埋め尽くしていて豪華だけど決して派手じゃなくて。むしろ素朴で柔らかい、まるで人間が生まれたときに初めて見る原風景みたいなあの景色が大好きで。
再演でのこのシーンも本当に美しかった。
……本当に美しかった。それしか言えない私の語彙力のなさを呪いたいくらいで、とにかく私の中ではこの世で一番美しい光景って言っても過言じゃないくらい。
少なくとも私の20年間の人生で見た景色の中では、一番美しいと言える。
このラストシーンのための物語なんじゃないかって、この優しくて温かいラストシーンのために淳一先生は苦しんでもがき続けたんじゃないかって思うくらい。
いっつもこのひまわりの海に佇む淳一先生を見ると、一瞬にして浄化されて、淳一先生の思いが報われた気がして。
美しく生きた淳一先生の物語の最後にふさわしい景色で、柔らかく射す光に向かって淳一先生が手を伸ばした瞬間にどうしても泣けてしまうんです。
個人的には今回かなり前の席のドセンで観劇する機会があったんですけど、その時のこのシーンの美しさったら。
目の前で淳一先生がひまわりに向かって歩いて、光の中に消えて行くから、本当に眩しくて。一瞬光で何も見えなくなったときに天国ってこんな感じかなと思わず川を渡りかけました。
いやでも割と大真面目に死ぬ前にみる景色はこの光景がいい、この光景を死ぬ前に見れたら幸せだ、と思っている(笑)


そして個人的な話のついでなんですけど、私は神戸公演のみの観劇でしたが、新神戸オリエンタル劇場もとっても素敵でした。
コンパクトで重厚感があって、落ち着いた雰囲気で。それいゆの世界に浸るにはぴったりの、そしてなによりオシャレな淳一先生にぴったりの劇場だった。
初日は中原先生の御命日ということもあり、美を表す数字「6」にちなんで6本のひまわりが来場者にプレゼントされたのですが、すごく素敵な心配りと美しく生命力にあふれたひまわりで心が洗われるようでした。
優馬座長がくじを引きながら、ワイワイしているそれいゆカンパニーが微笑ましくて、ツッコんだりボケたりそれに笑ったりと普段の様子が垣間見えたのも嬉しかったなあ。それいゆカンパニーに仲間入りしたみたいなくすぐったさがあって、劇場から出た後もフワフワしてしまいました。
そして千秋楽には盛大な拍手が送られていて、それを嬉しそうにそして誇らしそうに受け止める清々しいカンパニーの姿に胸がグッと熱くなったりして。
終わってしまう寂しさと、無事に乗り越えられた達成感と、この舞台への愛情と、様々な感情が舞台上に転がっていてこれまた愛しかったなあ。
いつのまにか淳一先生や優馬くんだけじゃなく、このカンパニーとこの「それいゆ」という舞台も愛していたんだなあと気付かされました。

あとは優馬くんが最後のあいさつで「この「それいゆ」という舞台が、皆様の心に大輪のひまわりとなって咲き続けますように。」と言っていて、それがあまりに美しい言葉で、優馬くんから出たとは思えなくて(失礼すぎるけどw)、すごくビックリして。
優馬くんってあんまり言葉数も多くないし、当たり障りのないこと言ってたりする印象だったんですけど笑、今回どの挨拶も本当に語彙力が豊かだし、とにかく美しい言葉ばかりで、これは絶対木村道場のおかげだよなあっていうのもぼんやり思っていました笑。
もちろん淳一先生として生きていく中で出会った言葉もあったんだろうけど、自分の思いや事実だったりを思っていることと同じくらい正確にアウトプットするようになっていたのは「どうしてこう動いた?」「なんでそう思った?」っていうのを木村道場を通して何度もやってきたからなんだろうなあと思って。
今回の再演に関してのインタビューでもそれいゆについて語る優馬くんの言葉がどれも本当に的確で、言葉や語彙力が自分の思いに追いついてきたみたいにスラスラ語っているのをみるとね、ずっと見てきている身としては「すごいです」「素敵な作品です」くらいしか言えなかった10代の可愛い優馬くんのこと思い出すのです…あれはあれで可愛かったから一抹の寂しさみたいなものある…。
まあね、優馬くんは多くは語らなくても身体で表現して、自分の存在で語ってきた人だったからそれに関して不満に思った事は一切ないんですけどね。
だけど今の優馬くんはそれにプラスして、ちゃんと自分の思いもしっかりとした言葉で語れるようになっていてもう「大人」だなあと思った再演でもありました。

今回優馬くんにとっても生まれて初めての再演で。そして応援する優馬担にとっても初めての再演。
すごくいろんな感情と出会えたんじゃないかなあと私は感じています。
特に初演の時には見えなかったものが見えたりして、気持ち的に余裕があったのは大きいことだったなあと思う。
だからこそカンパニー自体のすごさにも気付けたし、ひとまわりもふたまわりも成長したカンパニーをじっくり見れた気がした。
そして再演をして分かったのは、どちらも素敵だっていうことで。
優馬くんやキャストは、初演でも100%だったから再演はそれ以上を、よりよいものをって言っていたけれど。
私にとってはどちらも100%で十分だったな、と。超えるとか超えないとかではなく、初演は初演の、再演は再演の良さがあったから、良い意味で別物だと思っていたなあ。
ただ再演は純度がすごく高くて、初演よりも不純物がなくなっていたなあという印象はあって。でもそれは初演からずっとこのカンパニーがそれを追い求めていたからで、その追い求めていたものが再演でより追いついて昇華されたのかなあと感じました。
そして何より感じたのは、初演を経て再演に挑んだカンパニーの結束と、作品に対する大きな愛情で。
ずっと言ってるけど、大きな愛に包まれた素敵なカンパニーだなあと。
そんなみんなをまとめているのが優馬くんだと思うと、誇らしい気持ちにもなるし、嬉しくなる。そして何よりカンパニーみんながお互いを思いあっていて、その中にもちろん優馬くんも含まれていて、みんなから大切にされている優馬くんを見るのは本当に幸せだなあと思いました。
そして優馬くんもきっとそれに対してちゃんと返して大切にできる人なんだろうなって思うから、改めて素敵な作品とカンパニーに出逢えたんだなあと、優馬くんの強運に感謝しました。




最後に。
優馬くんが大千秋楽の最後のカーテンコールの挨拶で「上向いて、胸張って、前!」って言ってくれたこときっとこれから何度も思い出します。
「それいゆ」はずっと私の心の中の大輪のひまわりとして咲き続けるだろうなと思います。辛くなった時、苦しくなった時、思いだして太陽に向かって咲くひまわりに救われるんだと思います。そして淳一先生のことを思う時、それいゆの事を思い出すとき、優しく揺れるひまわりに落ち着くんだと思います。
そんなこれから先、どんなときも心にあり続けるであろう素敵な舞台でした。再演の「それいゆ」も最高でした。
ありがとうございました!
カンパニーの皆様がこれからもご活躍されますように!そしてまた違うどこかでも再会できますように!それゆけ、それいゆ!
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「北斗ーある殺人者の回心ー」のエピソードまとめ

WOWOWドラマ「北斗ーある殺人者の回心ー」の放送がいよいよ迫ってきました。
それに合わせて雑誌、テレビの露出等で語られた「北斗ーある殺人者の回心ー」についてのエピソード等をまとめました。
そうです、完全に自分用のメモです。
どこかに残しておこうと思ってたら、いいとこあるじゃん的なやつです。


ちなみにCINEMA SQUAREvol.87・90、J Movie Magazine Vol.17、TVLIFE6号、QLAP!3月号、eclat4月号、Ray4月号、BARFOUT!Vol258、WOWOWプログラムガイド3月号、FLIX4月号、その他アイドル誌、北斗いよいよスタート!、WOWOW10時間無料放送春先どり桜祭り、WOWOWぷらすと、完成披露試写会、中山優馬RADIOCATCHなどから引用しています。


原作「北斗-ある殺人者の回心」-について
◎若い女性編集者から「重くて暗くてずどーんとくる、剛速球のような作品が読みたい」と言われたのがきっかけで「北斗-ある殺人者の回心-」を書くことに。
◎物語の核は「普通の人が普通の人のまま人を殺すようになるのは、どのような条件がそろったときか」
◎原作の石田さんには何度か映画化の企画も届いていたが、暗くて重い題材のため頓挫していた。
◎最初は映像化してはいけないと思ったが、やっぱり誰かに取られたくないと思ってまずは映画化の話を持ちかけた。だが重くて暗い話だから無理だと断られていたし、ましてや民放ドラマでは数字が取れないと言われた。
◎4年ぐらい前にWOWOWでやりたいと瀧本監督が持ちかけたがそれも2回とも却下されている。しかし時間を置いているから忘れているだろうと昨年もう一度持ちかけ、実現に至った。


ドラマ「北斗-ある殺人者の回心-」について
◎読んだときに圧倒されて言葉が出なかった原作の小説をそのまま映像化したかったので、ドラマでも「うまく言葉に出来ないけど、何か大きい重いものが押し寄せてくる」っていう印象を持って見てもらえたら嬉しいと思っている監督。圧倒的に何かを感じる作品になっていると思う。
◎ある学者が「いろんな作品、メディアにおいて、これは自分のために作られたんだ、自分に向かって作られているんだと感じた人が1人でもいたら、それはもう芸術だ」といいう言葉を残しているが、北斗もそうあったらという想いを込めた瀧本監督。映画もドラマもいつもは広く、多くの人に届けようという思いで作っているが、今回はたったひとりに向けて、ひとりの誰かに向けて作った。たださすがにひとりだと寂しいので、そのたったひとりが、たった10人、たった100人、と伝わっていって欲しいと思っている。
◎すべてが思い通りとまではいかなかったけど、かなり理想に近いものが作れたし、自分の作品の中では今までで一番うまくいったものになったと感じている瀧本監督。
◎原作は時系列で物語が進んでいくが、ドラマ版は殺人を犯して拘置所にいるところから物語が始まり「どうして殺人を起こしてしまったのか」という回想から描いている。
◎さらには北斗の視点からの一人称だった物語に対し、ドラマ版は弁護士の視点などさまざまな視点からも描いている。それにより、一層多角的な見方ができ、原作とは別の視点がある物語になっている。
◎監督がドラマの脚本を作る中で一番考えたのは、1話から最後の法廷シーンまで高井弁護士の視点を並行して構成するということ。映画と同じ気分で作っていて、テレビドラマであるということは意識していなかった。
◎この作品の監督のイメージは2017年版の「青春の殺人者
◎ぜんぶフィルムでの撮影にしたのは、フィルムの暗さやトーンが味やコク、深みに繋がるし人間の内面を深く掘り下げていくこの作品に合っていると思ったから。また画面のざらつきみたいなものこそ「晴れの日も曇りにみえる」という北斗の見ていた世界を表現しているとも。さらには、フィルムだと10分程度しかもたないから、長回しは一回の失敗がすごく大きくなる。そのプレッシャーをキャストスタッフが共有することもこの作品のテーマに合っていると思った。またフィルムはコストもかかるので本番の演技がより大事になってくる緊張感も作品に表れていて、現代と逆行したものになっている。
◎ドラマと原作では最後の感じ方も違っている。石田さんはどの作品でも最後に希望を持たせる事が多く、性善説が強いけど、ドラマではそこの部分との違いを松尾さん演じる高井さんの姿で表現している。
◎「回心」というのはキリスト教の教えである意味の他にも、人生の中でいろいろなことが起こり、幸せになったり不幸になったりと心がぐるぐると回っていく、運動する、人生が続いていくという意味も込められているのではないかと思った瀧本監督。それに基づき物語が終わったあとも北斗や北斗に携わった人の人生は続いていくというのを5話のエンドロールで表現している。
◎実父役の村上淳さんと、里親役の宮本信子さんは当て書きで、最初から決まっていたキャスティングだった。
◎北斗の1話は苦しく触りは良くないかもしれないし、他の作品と違って、どこに向かうかも提示されていないのでちょっと大変かもしれない。だけど見続けていくとこんなところに連れていってくれるんだ、こうなるんだと思える面白さがある。特に5話がすごく良いのでそのために2、3、4話と見る価値がある。
◎原作の石田さんはドラマの北斗について、最近のドラマは軽いしコミカルなものが多いが、正座してテレビに向き合うような、豪速球のドラマをズドンと観たいような人にはぴったりだと思った。
◎原作者にとっての映像化作品は、自分のものではない。原作はあるが、映像作品はそれを作り上げた人たちのもの。だからこそ逆に、力の差が作品に明確に出る。それは原作者が関わっているかどうかは関係なく、映像化側の人たちの限界だと思っている石田さん。
◎北斗を続けて5時間見てみて、久しぶりに『池袋ウエストゲートパーク』の初回から観返したくなった。この作品は、自分が大人になったと感じ、そしてこれまでを振り返ってみたくなるような気持ちになった。


オーディションについて

◎まずオーディションを受ける前に呑み込んで欲しい条件が3つあった。
「撮影中は東映の(留置所みたいな)寮に住んでもらうこと」(※結果的にはやらなかった)「携帯を手放すこと」「撮影中に減量をすること」
それを受け入れる人のみ受けていいオーディションだった。
◎優馬くんは「いい作品があるから受けてみないか」と薦められ参加し、セリフの一部が書かれた紙1~2枚が送られてきた。
◎1度だけだったが、結局2度のオーディションを受けて、合格。オーディションでは緊張して、台本がはさまったバインダーを落としたが、落ち着いてすっごいゆっくり拾っていたのを見て度胸あるな~と思った瀧本監督。
(優馬くん的にはただ緊張して手元がおぼつかなかっただけらしい笑)
◎オーディション1回目はすごく優しかったのに、2回目の時は同じお芝居を2回した時点で「どうするもう一回する?やめる?」って瀧本監督に聞かれて「怖い」と思った優馬くん。思わず「もういっかいします……」って答えて3回目をした。
◎瀧本監督は見た瞬間にどうしても北斗をやりたいという意欲を優馬くんから感じた。
◎合格の知らせは、マネージャーさんがサラッと明日の仕事の予定を言う時に「北斗~決まりました。」とだけ言われた。一度「えっ!?」って確かめて「分かりました…」と受け入れた優馬くん。その時のブルブルっていう身震いみたいな感覚を今でも覚えているそう。
◎セリフのインパクトが強かったので、その前後を想像して分かった上でやりたかったが、経験がないのでどうしても分からなさが残った。でも監督には「セリフに破壊力があった」と言われ自分の中のそのもどかしさが伝わったのかなと思った優馬くん。



撮影エピソード

◎撮影は、順撮りで行っていた。撮影実収は45日間。
◎撮影中盤から「殺人を犯してからはガッと痩せろよ。10㎏やせるんでしょ?」と監督に言われ約3週間減量を実行し、12kg体重を落としている。(3日間何も食べずにランニングやサウナをして、4日目にスープを飲む。)
◎減量を開始したのはお母さん(宮本さん)が亡くなったシーンを撮った後。4~5日の撮休があって、それからの減量だった。
◎減量中はイメトレもしていた。頭の中で細胞がつぶれいていく感覚をイメージ。あと常にお腹を空かせて、空腹に慣れたらわざとご飯の匂いを嗅いで、欲望を復活させてまた動き出した頭の中の細胞をイメージでつぶしていく。
◎優馬くんにプレッシャーを与えるために瀧本監督も一緒に減量をした。
◎減量中のランニングで行列になってる定食屋さんを見て、撮影が終わったら行きたいと思って楽しみにしていた優馬くん。でも撮影が終わってその店をいくら探しても結局見つからなかった。(この話怖すぎる…)
◎減量や撮影について、監督に「長い人生の中で2カ月くらい、頑張れるでしょう」と言われた。確かにそうだし、この2カ月できないようじゃ、何もできないなと思った優馬くん。
◎北斗を演じるためなら死んでもいい。自分がぐちゃぐちゃになって壊れてもいいと思っていた。それでも限界までいかずに歩けるし、しゃべれるから「おかしいな、なかなかぶっ倒れへんな」って思ってた。
◎瀧本監督も撮影中は相当追い込まれていて「もう俺に味方はおらん。誰もおらんわ。唯一おるのは中山だけや。」と小さく言っていた。
◎現場では役や作品以外のことは一切考えないように遮断していたが、撮影の途中で減量が始まってからは自ら何かを遮断しようとする余裕もなくなった優馬くん。精神が研ぎ澄まされていく感覚で、音にも匂いにも敏感になっていた。
◎殺人を犯したシーンを撮った後に1週間弱の撮休があって、その時に「痩せて、ヒゲも伸ばしてきて」と監督に言われた。その後に警察に逮捕された留置所のシーンを撮影した。監督曰く1週間後に現れた優馬くんは、ちょっと違うオーラを乗せていた。
◎最後の2日間の法廷シーンでは原作の北斗も寝ていなかったため「法廷中はきっと眠れないよな?」と瀧本監督に言われ、眠らずに挑んだ。実際2日間で眠ったのは5分だけ。
◎ジャーナリストを演じた利重さんは、優馬くんを見ていて大変そうだったと感じた。現場セットでも大人しく静かに座ってたから、たまに話しかけたらニコッて笑ってくれた。台本にはいっぱい書き込みがあって、それも役とか演技のことではなく自分を励ます言葉がいっぱい書いてあって涙が出そうになった。
◎優馬くんが一番難しかったシーンは、初めて人に抱きしめられるシーン。監督にも「ここはどうやればいいか俺も分からないから、とりあえずやってみよう。」と言われた。
◎台本をかなり読み込んでいたが、現場に立つと思い描いていた感情と毎回違う感情が芽生えていた。そんなときは現場で生まれた感情を生かしていた優馬くん。
◎監督は勢いあまって優馬くんのことを「斗真!お前はここだ!」と間違えていた。ずっと「生田ー!」って叫んでましたよ(笑)な優馬くん。(北斗くんが殺そうとする相手が「生田」だから余計にややこしい笑)監督曰く「北斗」と本名の「優馬」が混ざったらしい(笑)
◎殺人を犯すシーンでの呼び間違いだったため緊迫していたが、撮り終わった後は監督の呼び間違いの指摘にドッと現場が沸いた(笑)
◎里親役の宮本さんとのシーンでは「等身大の素のお前のままでいいぞ」と優馬くんに伝えた監督。だから優馬くんもすごくリラックスしていて、本当に楽しかったんじゃないかと思った監督。この時だけはお酒も飲んでいいぞと解禁させた。
◎里親役の宮本さんとは待ち時間にも雑談をしたり世間話をしたりして、唯一安らいだ優馬くん。台本を読んでいてもやっと幸せな時間がくると思いながら楽しみにしていた。だから宮本さんがクランクアップを迎えたときは本当に悲しくて、いつもなら「仕事やから」と割り切れるけど今回ばかりは離れたくないと心から思った優馬くん。瀧本監督も、宮本さんが亡くなるシーンを撮ったその日は、彼自身もお葬式みたいな日だったと思った。
◎逆に父親役の村上淳さんとの撮影が終わった時は正直ホッとした。熱のこもったお芝居は北斗としては恐怖でしかなくて、すげー怖かった!な優馬くん。今まで味わったことのない感情が沸いてきたし、無力を感じた。
◎国選弁護人の高井を演じた松尾さんは接見室での撮影で優馬くんに「Coccoに似てるね?」「さかなクンにも似てるね?」と話しかけたが、ぜんぶ「そうっすか」とそっけなく返された(笑)
◎優馬くんが一番印象に残ってるのは、終盤の法廷のシーン。作品の中でも北斗がすべてを晒される場所で、実際に現場もたくさんの人がいて、扉を開けた時にすごく見られてるなという感覚があり、北斗が法廷で晒されている状況とリンクして、苦しかったのをすごく覚えている。
◎撮影最終日は、北斗が6分にわたって意見陳述をする法廷のシーン。終わった瞬間は達成感というよりも割とふわっとしていた優馬くん。ずっと見えないゴールを目指して突き進んでたから、終わった後もしばらく霧の中にいるようなフワッとした感覚だった。
◎しかし後日行われたポスター撮影で、癒されてしまうからという理由で実家に預けて離れて暮らしていた愛犬がサプライズ登場した際に、思わず泣いてしまった優馬くん。
◎それを見て「なんで今やねん!!(笑)」と思った瀧本監督。
◎この時瀧本監督にもサプライズで、美術スタッフが作った特製北斗パネルがプレゼントされた。
◎北斗の国選弁護人の高井役を演じた松尾スズキさんからは撮影終了後に「これで好きなものを食べるといい」と、高級焼き肉店のお食事券をプレゼントされた優馬くん。
◎撮影後は割と日常生活に追われてすぐに北斗から抜けられた。撮影中はテレビや携帯も遮断していたので連絡を返すのに追われたり、ちょうど引っ越し中だったので冷蔵庫を手配しなきゃと思ってた優馬くん(笑)タフすぎる…(笑)
◎優馬くんには完パケを渡していたので自宅で1度見ていたが、やっぱり大きいスクリーンでみたいということでキャストスタッフを集めて試写会をした。
◎そのときの優馬くんは、胸がいっぱい、感無量と言った感じで「北斗やってよかったね」「そうですね」と利重さんと会話を交わした。



端爪北斗について
◎すべてを捨てて演じなければと思った役だった。いつもなら現場を離れると自分にすぐ戻るが、北斗はあえてそれをせず私生活も遮断していた。それくらいしないと演じれないと思っていた優馬くん。
◎意思が強い方ではないから私生活から役のことを考えることで自分を追い込んだ。
◎ちょうど引っ越しをしたので、テレビも冷蔵庫も捨てて何も無い部屋にしていた優馬くん。
◎北斗をまったく自分とかけ離れた人間だとは思っていないし、演じていて異常だと思ったことも一度もない優馬くん。普通の人間だけど少し生い立ちが違うから歪んでしまっただけで、ただ愛されたかった青年だと思っている。人は、周りから愛を受けることで理性を保てているけど、それがなくなってしまったときに過ちを犯してしまうのかもしれない。
◎気持ちが分かると言うとヤバいのかもしれないけど、殺したいっていう感情は分かる。普通の人ならそこで殺したりしないんだけど、北斗は愛情が欠如している分、理性が働かなかったんだと思う。切ないけどこういう人がいることも、こういう事が起こる可能性があるっていうことも理解ができた。
◎北斗を演じてみて「愛がからっぽ」だと感じたことはなかった優馬くん。ちゃんと人を愛せる人間だったし、普通に笑える人間だったし、すごく満たされていた。そして自分の周りには愛が溢れいてるなと感じた優馬くん。
◎虐待を受けた人が虐待をしてしまうケースが多いことについても、理解が出来た優馬くん。小さい頃から虐待を受けていて、恐怖と羞恥心に押さえつけられているところから解放され、肉体的にも精神的にも力をつけた大人になると怒りとか衝動っていうのは抑えられないんだと思う。1人の男性として戦えるようになったときに感じるやりきれなさとかって、一つタガが外れた時にバーンと衝動として出ちゃう。それは演じていて分かる気がした。
◎北斗を演じてみて、心情を理解するのに苦労したというより、降りかかってくる出来事を感じてそこにいれば自然と理解できた気がした優馬くん。

◎15歳から21歳までの成長が描かれるので、優馬くんはそれを細かく計算して演じ分けているなと感じた瀧本監督。全話を通して見るとそれがよく分かる。
◎目の色でも芝居をしている、虐待を受けているときのおどおどした感じとか、里親と過ごしているときの生き生きとした目とかも魅力的だと思った。
◎1話と5話では全然顔つきも変わっていて、研ぎ澄まされていくのが分かる。




中山優馬について

◎彼にはまだまだいろんな顔があると思うし、まだ潜在するポテンシャルを引き出せていないから別の作品でもまた仕事したい瀧本監督。
◎原作の石田さんは、優馬くんにとって23歳という少年から青年に移り変わるこのタイミングでこの作品に出逢えたことはすごく大きいことだし、北斗を彼が演じたことはとても大きいんじゃないかと思った。
◎石田さんが優馬くんについて一番良いなと思ったのは、硬質感。それでいてとても立ち姿が綺麗だったから、人間としての質感が北斗にぴったりの役者さんじゃないかなと思った。圧倒的な憑依っぷりなので、自分で書いたものだけど、胸をギュッと締め付けられる感じで観た。
◎アイドルだと、男性や大人の方が偏見を持つこともあるかもしれないけどすごく有望で、力のある俳優さんだと思っている。素晴らしい若き才能を見つけてもらえるだろうと、石田さん。
◎石田さんが一番印象に残っているシーンは、北斗が最後にする意見陳述のシーンと、綾子さんに抱かれて笑ってる北斗くん。この二つの振り幅がすごくて優馬くんの存在感があったと感じた。
◎オーディションを2回をしたが、だいたい最初にわかる。「色々やってはもらうが(優馬くんが)会議室に入ってきた瞬間に「これだ」みたいな感じがあった。役者は目の力が大切だと思うが、優馬くんにはそれがあった。理屈じゃない、皆さんも多分わかると思う。この人でした。」と思った瀧本監督。
◎映画俳優は目が命だし、今回のこの作品は、タイトルになるくらい(インパクトが)強い主人公なので。目力がない子には務まらないと思って、目に力のある優馬くんを選んだ。
◎瀧本監督にとってジャニーズとのお仕事は生田斗真くん、山田涼介くんに続いて3人目だけど、ジャニーズの子はプライドと責任感がものすごくある。
◎優馬くんは芝居というよりも、佇まいがすごさを醸し出していると感じた緒方さん。ジャニーズの子は演技力が云々の前にまず、人の目に触れることや人前に立つことに関しての意識が高い。だから演技が上手い役者は他にもいるけど、追い込んだときの特別な佇まいや迫力みたいなものが違う。優馬くんは演技の上手い下手ではなくその迫力を持っていると感じた。
◎優馬くんはすごく愚直で、作品に対して正直でまっすぐで、あまり器用ではない。でもそこが優れた俳優だと思った瀧本監督。
WOWOWぷらすとのMC・西寺さんは、森田剛くんのような俳優として確立した人になれる人ではないかと思ったそう。アイドルとしてはタブーとされているような生々しい表情や、崩れた顔も出来るタイプ。
◎優馬くんはこれからグイグイくるんじゃないかと思っている瀧本監督…嬉しすぎて泣く…
◎撮影中の優馬くんは北斗くんと近かったけど、ラジオに出演した際に、明るくてテンションの高い一面を見てビックリした瀧本監督と松尾さん(笑)



その他のエピソード
◎瀧本監督が見ると死にそうになる映画1位だと思っているソ連の映画『炎628』を見ろと勧められて、家で見たらズーンって暗い気持ちになった優馬くん(笑)
◎「俺はどうでもいいんだ。とにかく中山が評価されて欲しい。」としきりに言っていた瀧本監督(泣)(泣)


今のところこれだけですが、あとからまた加筆・修正します。

「北斗‐ある殺人者の回心」を読んで

3月25日の初回放送に備えて、原作「北斗 ある殺人者の回心」を読んだ感想を残しておきます。

北斗 ある殺人者の回心 (集英社文庫)

北斗 ある殺人者の回心 (集英社文庫)

石田衣良さんは池袋ウエストゲートパークが好きで、 何度も読んだことがある作家さんでしたが、正直北斗のような題材は意外で、エッジの効いた鋭い感覚の作品しか読んだことのなかった私にとっては、まずそこから衝撃的でした。
エッジが効いたどころか、どちらかと言うと、淡々と凄惨な出来事を並べ、主人公の平坦な感情が語られていく…すごく意外だった。
こんなに静かで鈍くて、それでいて抉るほどに深い物語も書く方なんだなーと思いました。

作品自体の単純な感想を言うと、すごいリアルだなというのがいちばんで。
細かな描写から人物像まですべてにリアリティがあって、生々しくて。本当に北斗くんが存在するんじゃないかとか、ノンフィクションで実話を基にしているんじゃないかなんて思ってしまうほど。
現実にあっても違和感のない、現代の闇に深く切り込んだ物語だなあという印象でした。
だからこそより深く感情移入出来たのかもしれないし、とても苦しかったのかもしれない。
そして実際に起きていてもおかしくない事件だし、北斗くんみたいな人がいるんじゃないかと思えてしまう今のこの現代が怖いなと改めて思いました。
また決して物語として、2次元のことだから、あくまでもフィクションだから、と片付けるわけにはいかない、私たちが生きる世界でも目を向けるべき問題だなとも。他人事として読んではいけないのだと思わされました。

それから、とても不思議な感覚になる物語だなーとも思った。
出来事や虐待の描写は冷静に淡々と第三者目線で語られているのに、北斗くんが受けた痛みの感覚や心情は、客観性も交えながらもまるで体験したかのようにすごく細かく丁寧に描写されていて。
そのちぐはぐさがよりリアルで、読んでいる私は第三者なのかそれとも北斗くんなのか分からなくなる瞬間が何度もありました。
そしてその境目も良い意味で曖昧でぼやけているのがすべてのことに感情移入しやすくなっていて、北斗くん側に立って痛みを受けることも、第三者側に立って物事をみることも出来て、より深く世界観に入り込めたような気がしました。

具体的な話をすると、「端爪北斗」という人間の半生についてなのですごく膨大で。
全体を通してみると、ただ単に「虐待」だけを描いているのではなく、他にも殺人、里親制度、裁判、医療詐欺など様々なことが取り上げられていて、「虐待」だけが北斗くんの20年間じゃなかったことが分かる。
ただ北斗くんの人生を追うように時系列で物語が進んでいくので、虐待を受けている幼少期から思春期の入り口までが果てしなく長く感じるし、永遠に続いてこのまま北斗くんが死んじゃうんじゃないかと思えてすごく怖かった。
私でもそう思うのだから、北斗くんにとってはもっと長く感じたのだろうなと思う。しかも人格形成や発達においても重要な幼少期に、こんな思いをしながら過ごしたのだから、やっぱりとても罪の重いものだとも思った。
命の危険を感じながら過ごす幼少期とはどういうものなのだろうか。真冬の寒い時期に裸で外に出される気持ちは、空腹に耐えきれずにちょっと白米を食べた為に暴力を振るわれる気持ちは、秋の山道に置いていかれて1人で山を下る気持ちは、夜に凍死しようと決意して公園で一夜を明かした気持ちは、その時に暖をとった自動販売機の方が両親より温かいと感じる気持ちは、どういうものなのだろうか。
想像も出来ないけれど、ほぼ毎日のようにみる「児童虐待」や「虐待死」というニュースをご飯を食べながら見ている現実を思い出して、あの子たちも北斗くんのような思いをしているんだろうかと急に胸がザワザワとした。

中でも1番私が衝撃的だったのは、やっぱり至高が北斗くんにドライバーを向けるシーン。
読み進めていくうちに口の中の水分が奪われて、血管が膨張する感覚がした。
「私は親や世の中にいいように振り回された。だから、おまえに北斗と名付けたんだ。絶対に揺らぐことのない北の空の一番星。お前には誰よりも強くなって欲しかった。私がこの世界に残せるのはお前だけだ。」
狂ったように何度も何度も北斗くんの額にドライバーを抉らせながら、父・至高が叫ぶ。
「おまえが私のことを決して忘れないように、おまえの頭に星の印を刻んでやる。おまえは私の息子だ。北斗、忘れるな。」
これが息子に対する"愛情"なんだろうか。
至高にとっての愛の形なんだろうか。
だとしたら、 歪んでいる。
父に厳しく育てられ不幸だった自分と、自由で幸せそうな息子を比べて嫉妬する至高は子どものようで、至高を父に持った北斗くんの不幸は何も見えていないようだった。
ゾッとした。何も見えていない。北斗くんさえ見えていない。
見えてるのは不満や嫉妬といった自分の中の感情だけ。
親である前にあくまでも1人の人間。それはそうだけど、あまりにも自分本位の感情に私は絶句した。
そして親から子へ、また親から子へ、負は連鎖するんだと思い知った気がしていたたまれなかった。
こうして、北斗くんの額には星の印が残ることになる。
一方的で我儘な思いを背負わされ、一生消えない傷を背負う北斗くんを思うとたまらなかった。
その後も、この印を「呪い」としてこの男の血が流れている事を、壊れた男の息子であることを背負って生きていく北斗くんの姿は痛々しく、遺伝子を残したくないという北斗くんの思いが切なかった。

それから里親である綾子さんに出会い、初めて知った人に抱きしめられる温かさが彼を殺人犯にしてしまう。
こうして場面が法廷にうつり裁判のシーンになると、最初に様々なことが取り上げられていて「虐待」だけが北斗の20年間じゃない、とは言ったが決して「過去」ではないことに気付く。
「虐待の果てに、人を殺してしまった。」
こう言えば、結果としての「殺人犯」ばかりに目がいってしまうし、虐待はただの過去とされてしまうだろうし、重さとしては「殺人」の方に比重がいってしまうかもしれない。
でも最初から読んでいるからこそ分かる。
どれだけ「虐待」が重いことか。
北斗くんが虐待を受けたのは、思春期までだとしても、それまでの記憶や経験は確実に北斗くんを形成し、北斗くんの人生に影響している。
現に裁判では、北斗くんを苦しめた「虐待」が極刑を免れる「切り札」になるのだ。
1人の命を左右する、重要なファクターになる。
「過去」が20歳の北斗くんの命を繋ぐのだ。
皮肉だけど、それがどれだけ「虐待」が重いことかを、一生消えない傷なのかを、物語っているような気がして、胸が切り刻まれる思いだった。
こうして物語の中に医療詐欺や、死刑制度、裁判、殺人、様々なトピックがあるからこそ、その根源となる「虐待」という問題が浮き彫りになるなあと感じました。

そして最後まで読んだ時、私は一切ブレずにひとつだけを描いているような気がしてならなかった。裁判や死刑制度、殺人といった物語を動かす出来事がすべて「虐待」の重さを伝えるのための手段だと感じた。
石田衣良さんがこれらを「虐待」と並べたのは、殺人も、虐待も、同じ重さを持つということで。
「虐待」も形を変えた「殺人」なのかもしれない、と思った。
そんな一度死んでしまった北斗くんが、生きることを許された。
私は、この最後の結末は「希望」だと思っている。
北斗くんのような「被虐待児」という特性を持っていても、社会で生きていける、人間として生きる価値のある存在なんだということの証明。
北斗くんがそう感じ取ってくれたらいい、僕は生きていい人間なんだと思ってくれるといいなと、そんなことを考えた。

だから少なくとも私は、この結末に救われました。
だけど一方で。
2人の命を引き換えに受け取る「希望」ってなんだ。
虐待を受けたことが人を殺しても罪を軽くする理由になるのか。
遺族からしたらこれは「希望」なのか。
そう思う自分もいて。
さっきまで虐待の重さについて考えていたのに、人の命の重さを考えるとすぐに天秤が傾いてしまう。
人を殺すという非人道的行為の前では、虐待を軽んじてしまい、自分の気持ちがどこにあるのか一瞬で分からなくなる。
結局何が良いのか、この結末が正解なのかは最後までわからなかった。
だからこそ、石田衣良さんがひとつの物語としてこの結末を選んだことがすごいと思った。
万人の思う「正解」なんてきっとないはずなのに、きちんと結末として判決を下した。
当たり前だけど、どちらかを選ぶということは、どちらかを選ばないということで。
それは残酷なことでもあって。自分の言葉ひとつで誰かが救われて、誰かが絶望するかもしれない大変さを想像すると、私だったら投げ出すだろうなと思う。

石田衣良さんは物語をああやって締めくくったけど、きっとすべての人が幸せになる正解なんてないし、世の中のすべての事に白黒つけられるわけじゃない。
誰かにとっての「正解」は誰かにとっては「不正解」だし、誰かにとっての「幸福」は誰かにとっては「不幸」だ。きっと世界はそういうものだし、みんなそれを分かっている。
北斗くんも言っていたように神様なんていないし、法律だって人間が作りあげたものだ。
それでも、だからこそ、この「法律」という観点を通して「答え」を導き出すという過程が社会にとってはなにより重要で、そしてそれをきちんと「正解」にしていくのが北斗くんの役目であり、これからの生きる意味なんだと思う。
そして、北斗くんならそれが出来ると導き出されたんだと思っています。
「北斗 ある殺人者の回心」
このタイトルにその思いが込められている気がしました。
この「回心」という言葉が不思議で、どうしても「改心」という言葉の方が聞き馴染みがあると思っていて。
気になって調べてみると、キリスト教の教えでは「回心」とは心の向きを180度変えること。回心した心は二度と濁ることはないとされているそうです。
一方で「改心」とは心を入れ替えること。改心し新しいものに入れ替えても、しばらくすれば濁ってしまう。汚くなるたびに入れ替えて入れ替えて一生繰り返さなければいけないもの、だそうです。
私はこれに辿り着いたとき、石田衣良さんが「回心」に込めた思いをすごく考えてしまいました。
北斗くんは、回心して生きられる人だと。
奪った命について考え、背負い、罪と共に生きていく人だと。
この判決を「正解」に出来る人だと。
そう思ったんじゃないでしょうか。
そう考えると、やっぱりあの結末は北斗くんに託された「希望」なんだと私は思います。








優馬くんも、私にとっては「希望」です。
そんな優馬くんが北斗くんと出会ったことは、必然かもしれません。
原作者が苦しかったという作品を、映像化するということがどれほど大変か。
そして読むだけでも胸が痛い作品を、映像としてきちんと見ることが出来るのか。
想像するだけで、気が遠くなるけど。
私の「希望」は、きっと北斗くんも「希望」に導いてくれると思っています。
優馬くんがもう死んでもいいと思いながら、息を吹き込んだ端爪北斗くんが今から楽しみです。
そして同じ覚悟でこのドラマを見て、見終わったときに自分の見えている世界がどうなっているか。
それもとても楽しみ。
とにかくこの春は、何かが大きく変わる、そんな気がします。
今はその春を、じっと待ちます。

WOWOWに興味ありませんか?

初めに言っておきます、私はWOWOWの回し者ではありません。
WOWOWの関係者でもありません。
ただのジャニヲタです。

これはただのジャニヲタが全力でWOWOWをオススメするだけの記事です。
良ければ最後の方だけでいいから読んで!!!!!!

というのも、今度自担がWOWOWで主演ドラマをします。
ええ、オススメするのはそのためです。



3月25日(土) 22:00-
「北斗ーある殺人者の回心ー」

がオンエアされるので、そのためです。



そのために私は、2月にWOWOWに加入しました。
ズバリ、快適です!
いやそうなんだけど、そうじゃなきゃ書けないんだけど。
めっちゃ快適。良い。
WOWOWプライムWOWOWシネマWOWOWライブと3つジャンルがあって、チャンネルはひとつなのですが、リモコンの青(プライム)緑(シネマ)赤(ライブ)で切り替えて楽しめます。
加入するとこれが全部楽しめる!
特に私はシネマがすごく好きで、映画がよく放送されているのですでにたくさん見ました。
ヒメアノ~ル、アイアムアヒーローピースオブケイク暗殺教室 卒業編、ホットロード潔く柔くグラスホッパー脳内ポイズンベリー僕だけがいない街近キョリ恋愛黒崎くんの言いなりになんてならない、母と暮らせば、俺物語!!カノジョは嘘を愛しすぎてる、orange-オレンジ-、殿、利息でござる等々
邦画だけでも2月だけでこれだけ放送しています。殿、利息でござるなんか、公開から1年も経たずに放送だし、ヒメアノ~ルなんてR指定までかかってますが有料放送にかかれば問題なしです。邦画だけを挙げましたが、洋画も本当にたくさんやってる。しかもだいたい再放送される。
放送が1回じゃなくて何日か後にまた放送される。
忘れた!ってなっても望みがある。
そしてなによりCMがない。
まぁ~~~これがノンストレス!
今まで当たり前に民放観てきたから、刷り込みのようにCMがあって、もはや何も思わなかったけどWOWOWはそれがない!超快適!!
すごく気持ちが良いです。


でもどうなんでしょう。
ジャニヲタの方でどれくらいWOWOW加入してる人がいるんでしょうか?
なんとなくですが、過半数もいない気がしています。
まあ民放というタダより良いもんはないものを受信して日々生きてる人の方が多いのは当たり前。
さらには日々自担のために諭吉をせっせと注ぎ込んでいるジャニヲタにとって、やっぱりタダはありがたいもの。
そう、WOWOWのやっぱり一番のネックは「有料放送」だという事だと思うんです。
お金を払って「テレビ」を見たいか。
「テレビ」ってお金を払って見る価値があるものなのか。
自担がいる現場にはお金を払う価値があるけど、それと同等なものなのか。
それを考えると踏みとどまる人がほとんどじゃないでしょうか。
昨今のテレビ離れが騒がれる中で、「有料放送」という行為は無謀な気がしないでもありません。
でも、WOWOWユーザーは一定数います。
確実に「テレビ」にお金を払っている人がいる。
私はそれほどの価値があるなとWOWOWビギナーながら感じています。


それはまあ加入してみないと分からないことだし、個人差はありますが、とりあえず私はちょっとでいいから体験してみない?ってことを言いたい!
そのWOWOWを体験してみるにあたって、売ってつけなドラマがあるんですよ!奥さん!



3月25日(土) 22:00-
「北斗ーある殺人者の回心ー」

コチラです!!!



2回目。この記事ではことあるごとに挟んでいきたい。
読んだ人の脳に刷り込まれるまで言います(本気)




3月25日(土) 22:00-
「北斗ーある殺人者の回心ー」

フォントを大きくしてまで刷り込みたい。




タイトル通りの、すごく重厚でハードなドラマです。
殺人者、だけ聞くとサイコパス的な、頭のおかしい非情なやつ的なことを思い浮かべるかもしれません。
(ただそういう類のやつ、ジャニヲタは結構好きだと思っている節がある。
前提としてみんな顔が美しいから、ちょっとおかしくても、サイコパスなやばい奴でも美しい顔の前では最高のトッピングでしかないと思ってるところあるよね、ジャニヲタって。1番サイコパスなのってジャニヲタかもしれない……)
しかしこれはそんなジャニヲタの趣味趣向に合わせた生ぬるいものではありません。
殺人者になるまでの過程も、殺人者になってからの行く末も、丁寧に時には執拗に描いていくドラマです。
たぶん民放では出来ないと思います。
民放でここまでする為にはきっと、大変な労力といろんなしがらみを越えないと厳しいかな、と。
まだ始まってもいないけど、予告(特報)と原作だけでもそう容易に想像できます。
気になった方はホームページにある特報だけでも!覗いてください…!
コチラからアクセスできますんで!ね!
www.wowow.co.jp


というわけで、民放のドラマに地味に飽きてきたお姉さん!高いクオリティーの上質なドラマや舞台を求めている奥さん!骨太で重厚なドラマが好きでNHKばっかり見ているお父さん!!WOWOWどうですか?
ひとつチャンネルが増えると思ってください。
フジテレビ、TBS、日テレ、テレ朝、NHKローカル局、そしてWOWOWです!!
ただネットするためには少しの労力と資金が必要です。
用意するのは、テレビのリモコン、B-CASカード、スマホ、クレジットカードor口座、それから2300円です!
これさえあればすぐチャンネルが増えます!!

しかもね、すごーく分かりやすい!すべてのことはホームページに書いてあって全然難しくない!
こんなこと言うと元も子もないですが、こんなブログ読まなくてもWOWOWのサイトに飛べればもう簡単に契約できます。
一番分かりやすく説明つきで、加入方法が案内されています!

そして、その前に把握しておきたいことは2点です。


①家のテレビの状況

BSは映りますか?
BSデジタルチューナー内蔵のテレビかレコーダーであれば問題はありません。
それ以外で映っていない場合はアンテナを取り付けなければいけません。
でもだいたいのジャニヲタは少クラ見てるでしょ????みんな映ってるよね???(圧力)


②視聴環境

次に確認しておきたいのが、視聴環境です。
ケーブルテレビで視聴している、J:COMで視聴している、スカパーと契約している、ひかりTVで視聴している、様々だと思います。
自分がどれに当てはまるか把握しましょう。

ここまできたら話は簡単です。


③BSに切り替えて、9チャンネルを押す。

するとWOWOWのチャンネルに切り替わります。
そこの画面上部にある、B-CASカードの番号が必要になります。
ちなみに、テレビ本体にも、録画するレコーダーにも付いているB-CASカードですが、どちらからでも加入できます。
ただ録画をしたければ、レコーダーの方のB-CASカードで契約をしてください。
観るだけならどちらでも大丈夫です!!
B-CASカードを抜いて直接番号を確認することもできます!

そしてここからは、先ほど確認した視聴環境が「J:COM」「スカパー」「ひかりTV」の方と、それ以外の方に分かれます。

J:COMで契約している方>
J:COM経由の方 | WOWOWオンライン
ここから申し込みが出来ます。
今ならキャンペーン中だそうで!!!!


<スカパーで契約している方>

スカパー!経由の方 | WOWOWオンライン
ここから申し込みが出来ます。
スカパーはWOWOWにプラスした特別なプランが豊富で、よりお得なセットを選べば一石二鳥ですね!

ひかりTVで契約している方>
ひかりTV経由の方 | WOWOWオンライン
ここから申し込みが出来ます。
ひかりTVはテレビ画面からの購入が出来るのでより簡単です!!!!


そして、上記以外の方は直接WOWOWに問い合わせる形になります!


<電話で申し込む>
WOWOWカスタマーセンター0120-808-369(9:00~21:00 年中無休)に電話をかける。

その際に、個人情報(名前、住所等)とB-CASカードの番号をしっかり把握しておいてください。
あとはカスタマーセンターのガイドさんに従うだけ!

あっという間にもう加入!!

<インターネットで申し込む>

WOWOWで検索。

なんてめんどくさいよね!!
ここに貼っとくからここから飛んじゃおう!!

www.wowow.co.jp


⑥今すぐ申し込むボタンをクリック
そのまま手順通りに打ち込むだけ!

インターネットからの加入だと、e割といった制度があってお得に加入することができます!!!!
e割めちゃくちゃオススメだよ!!
私もインターネットで申し込んだ勢です!

そしてインターネットの申し込みでは、見たい番組なるンケートのようなものがあるので、そこにはぜひ「北斗ーある殺人者の回心ー」を選んでもらえると嬉しいです…!!!!


そして重要な案件。
そうです「視聴料」について。
ここが1番大事ですよね。
なんてたってお金が発生するわけですから。



まず支払い方法はクレジットカード口座振込の2種類です。
月々2300円(税込2484円)になります。

そして加入月は、無料です。
視聴料が発生するのは加入した翌月から!!
さらに先ほどいったようにe割だと翌月だけもっとお得な1800円(税込1944円)で良いんですって。
(※翌々月からは2300円になります。)
だから実質1ヶ月分の料金で最大2ヶ月視聴することができます!!!!!
と、いうことはですよ??
いつ頃加入してもその月は無料ということはですよ??

月初めに加入した方が良くね???

そうなんです!!!!!!
どうせ無料ならその方がお得です!!!
だから3月の頭に加入しよう!!!
そしたら北斗までの間、気になる映画やライブが見ることができます!!!!
放送ギリギリに加入なんてもったいない☆
もとは取っておこうね!!!

そしてそして。
北斗は3月25日スタートの全5話。
4月22日に最終回を迎えます。
ということは2ヶ月あれば全話視聴が可能です。

加入月は無料、翌月から2300円。
北斗は2ヶ月あれば全話視聴できる。
はい、ここから導き出される答えは?

実質、2300円で楽しめる!!!!
さらに先ほどいったようにインターネットでの申し込み、e割だと1800円で楽しめます!!!

とりあえず体験してみたいという方、WOWOWとは如何なるものか気になってるけど、何か見たいものがあるわけではないという方!
ぜひこの機会に「北斗ーある殺人者の回心ー」を見てみてはどうでしょうか!!!!
ドラマはどんなもんじゃいと見計る良い指標になりますよ!!!!
とりあえずの体験でも、映画1本分、もしくはそれより少しの値段で、たくさんの作品が見れますよ!!!
そしてお気に召されたら契約を続行すれば、これで晴れてあなたもWOWOWユーザーです!!

一応解約についても。
解約は、電話のみの受付になっています。
直接解約の旨を伝えると、その月の月末までの契約となります。
ちなみにいつ電話かけても、解約は月末です!
とりあえず北斗だけでも!と思ってくださってる方は、2ヶ月だけでもいいんです!!!!


ジャニヲタの皆様。
これからWOWOW勢力を伸ばして、いつか自担がWOWOWデビューなんてことも遠い未来じゃないかもしれませんよ。
現に私の自担、中山優馬くんは早々に参入しました。
そのいつかの自担の晴れ舞台のためにも今!!!!

ちょっと覗いてみませんか?調査しておきませんか?

今なら「ちょっと覗いてみる」にしては、上質なドラマが見れます!!!!!
そして絶対自担にもWOWOWデビューして欲しくなりますよ!!



「北斗ーある殺人者の回心ー」
3月25日(土) 22:00-



3月スタートです!!まだ間に合います!!
見る前と見た後では少し世界が変わって見える、ドラマです。

いや~~それでもな~~と思う方は、
3月25日(土)22:00-
BSに切り替えて9チャンネルを押してください。
1話だけ無料放送しています。
北斗くんの姿を見てみてください。
ジャニーズが新しいことに挑戦したことだけでも知ってください…
それからでも遅くないので!
ちょっとでも気になったらそこからまた加入を検討してください!
1回見たら、絶対に心に残ると思います。

そしてWOWOWにすでに加入していて満喫してるよ!っていうジャニヲタの方も、ぜひぜひみてください!
いつも見てるドラマにジャニーズが参戦します!若手ながらに身体を張ってドラマに懸けました!
どんなもんじゃい程度でもいいのでぜひ…!

あと3月4日の11:00から、WOWOW10時間無料放送なるものもあります!!!
その中にも「北斗-ある殺人者の回心-」いよいよスタート!という番組があるので少しでも興味のある方はぜひ!!!
ちなみにスタジオゲストとして優馬くん生出演もするので、前後も見ていただければ……!!
これを観てからでも全然遅くない!!
月初めだからまだお得ですよ!!
「北斗-ある殺人者の回心-」いよいよスタート!は、18:05からです!!!
他にもたくさんの番組が楽しめますので、無料放送もぜひ!!!!
詳しくはこちらです。
www.wowow.co.jp





とにもかくにも……




3月25日(土)22:00-
「北斗ーある殺人者の回心ー」




よろしくおねがいします。




冒頭でも言ったように、私はWOWOWの回し者でもないし、優馬くんがWOWOWドラマに主演するまで縁もなかった程の者ですので、情報が完璧でないことをご了承ください…!!!
www.wowow.co.jp
詳しいことはコチラにすべて網羅されていますんで気になった方はぜひ。
むしろ回し者になりたかった……WOWOWの関係者になって全力で北斗を薦める人になりたかった……ただのジャニヲタなのが悔しい……


でも本当に簡単です。思ったよりもあっさりと加入できます。専用のチューナーもいらないし、ネットから申し込み出来るし、15分もあれば簡単にWOWOW生活が出来ます。
「加入する」という行為がすごく簡略化されているので、ある程度の条件が整っている方なら本当にすぐです。

本当はこんなヲタクのブログじゃなくて、ジャパネットたかたにプレゼンしてほしいくらいなんですけども。
そんな権力も財力もないし、自担の血となり骨となり肉となる稼ぎに貢献するのに精一杯なので、諦めます…。
だからこの記事は、
1人でも多くの方にちょっとでも興味を持ってほしい!
優馬くんの渾身の主演作を見て欲しい!!
WOWOWという新たな場で挑戦した優馬くんの力に少しでもなりたい!!!
という気持ちの草の根活動です…。
ぜひちょっと体験してみようかな程度でいいので、そしてその際には優馬くんの主演ドラマぜひ見て欲しいです。
いろんな人に見てもらってこそ、ジャニーズが参入したことに意味があると思うし、なにより色んな人に見てもらう価値のある作品だと思っています。





3月25日(土)22:00-
「北斗ーある殺人者の回心ー」




1話は無料放送されます、BSに切り替えて9チャンネルです。
少しでも脳に刷り込まれていたら、チャンネル合わせて頂けると幸いです。
様子見でも、とりあえず1話だけでもなんでも結構です!3月25日土曜日の22:00からの1時間だけください!!


はいこれ読んだ人は3日以内に友だち10人に回さないと不幸になるよ~~~~絶対回した方がいいよ~~~!!!!!!本気のヲタクは怖いよ~~~~!!!!!!!!!

CROSS HEARTについてつらつらと

初めに言っておきますが、この記事、何日もかけて宿題みたいにちょっとずつちょっとずつ書いてきたので、すごく取り留めのないものになっています(笑)もはや自分用のメモなんじゃないかと思えてきた(笑)
でもどうせなので自分のために残しておきます。

…………とりあえず、濃かったなあという印象。

思えば去年の3月から、長かったようで本当にあっという間だった。
屋良くんと優馬くんの久しぶりの共演。優馬くんの初めてのミュージカル。後輩テラモロとの共演。楽しみな要素はたくさんあって。
ライブバージョンから本公演の3ヶ月間がほんとうに楽しかった!
ライブバージョンは、目まぐるしく繰り広げられる光景に圧倒されるだけでしたが、ミュージカル公演はそれをひとつずつ紐解いていく作業で、この流れはとても新しい形だなーと思いました。
ライブバージョンを見た時はコレ盛大なネタバレでは(笑)と思ったけど、蓋を開けてみればネタバレではなく、本当にいいところで終わる「予告編」だったのは玉野さんにやられたなーと思うところでもあります(笑)

舞台の全体的な感想を言うと、場面展開が多く次々とステージがめまぐるしく変わるのが印象的。
優馬くん出演の外部作品の中でも、今まででいちばん展開が多かったのではないかなと思いました。
だけどそれに比べて、テーマや伝えたいことはとてもシンプルで単純で、明確でした。
この分かりやすさも優馬くんの出演舞台で1番だったのではないかと思います。
玉野さんが考える愛や友情や運命というものがセリフやシーンのそこら中に散りばめられていて、それを汲み取れさえすればいい、とてもシンプルな舞台でした。
だからこそ汲み取る作業が気持ちよくて、答え合わせや伏線を回収する過程自体が物語にあるからグッと引き込まれるなーと思っていました。
それいゆと例えると1番差がわかりやすいと思います。
それいゆもすごくシンプルなテーマですが、こちらは人によって変わる、答えや感じ方が何通りもある抽象的なテーマです。そして1番の差は、それいゆは答えをこちら側に委ねていること。「あなたにとって」美しく生きるとは?というスタンスをとっていること。
対してクロスハートは明確な定義や言葉をもって、愛や運命、友情に対しての「考え」を説明しているところが、こちら側が探さなくていいシンプルさだと思います。
ただ見れば分かる、というシンプルさが私は新鮮でした。
まあ設定やストーリーには多少びっくりするところもあり、想像の斜め上をいくこともありましたが、さすがはジャニーズが主演の舞台。
多少のトンチキさも飲みこんで、説得力に変えるあたりはもはや得意技だなーと屋良くんと優馬くんを見ながら思っていました(笑)
だてにトンチキジャニーズワールドに生息してるだけあるなと思います。(褒めてる)

舞台の内容にも触れると、1幕は流れるようなスピード感があって、2幕から徐々に物語が展開していくよう流れで、見ごたえ十分でした。そして。リュックやセザールだけじゃなくて、ひとりひとりにきちんと背景があって、物語があって、想いがある。まさに登場人物みんながクロスしていて切なかった。
見ながら運命って本当にあるのかもしれないなあとぼんやり思っていました。
運命とは「人間の意志を超越して幸、不幸が巡ってくること。」
セザールとリュックが対立してしまうのも運命。
セザールとアルセーヌが出会ったのも運命。
リュックとカミーユが惹かれあうのも運命。
セザールの母がブルゴーニュ派に捕らわれたのも運命。
その運命が巡り巡って、588年後の悟に託されたのかなあなんて。
「過去の運命を変えれば、現在の宿命も運命も変わる。」
そう言われて悟は過去の運命に立ち向かい、588年後の世界を変えたけど。
でも結局1428年のセザールとリュックには関係のないことで。2人は悲しい結末を迎えることになった。
最期、2人はひとつになったままで。身体はセザールで心はリュックなんて。
なんて残酷でなんて尊い友情が生んだ最期なんだろう。
そしてリュックは目の前でカミーユに別れを告げ、セザールとしてアルセーヌの剣で死んでいった。
2人はお互いに愛する人の前で生涯を終えたのだ。
私はそれはリュックが、セザールを選んだんだと思っている。
もちろん自分の信念のためでもあると思うけど、親友だからセザールを尊重したし、お互いリュックとセザールとして運命を全うしたことにしてくれたんじゃないかって。
一見この結末だけみると何も変わってない気もするけど、リュックがカミーユに想いを告げる機会を作ったことも、セザールがアルセーヌに「お前を愛している」と告げたせいで助けるタイミングが出来たことも、ぜんぶ悟がタイムスリップしたからなんだなと思うと、ちゃんと意味があって。
悟がタイムスリップした後の方が、少しだけ1428年のみんなも幸せになってるよね。カミーユはリュックの想いを聞くことが出来たし、何よりアルセーヌはちゃんと生きている。その事実だけでも救われた気持ちになりました。

そしてこの時の運命の答えが、588年後にちゃんと「正解」として作用していたのが何よりも救われました。
教授の息子が悟になり、悟の母も元気で、さらに陸も事故で死ぬ事もないし、そしてその事故で芹菜と出会うことになる。
ちゃんと宿命も運命も変わっていた。あ、この時ちょっとすごいなーと思ったことがありました。
陸が事故に遭うとき、タイムスリップ前は「陸!!!!」って叫ぶだけだった悟が、タイムスリップ後の世界では助けようと飛び込んでいる。知らない間に悟は運命に再度挑んでいて、セザールだけじゃなく、悟自身もタイムスリップ前と後で違っているんだということ。きっとこの時は逆に、588年前のセザールの声が悟の中に響いていたんじゃないのかなあなんて妄想までしました(笑)
ちゃんと悟自身にも、運命を変えていく強くて確かな信念が芽生えるようになったんだなあと嬉しかったなあ。地味にすごく好きなシーンでもありました。
それから宿命や運命が変わっても、2人が親友であることは変わらないのも嬉しかった。あの最期の「何かあると信じていたよ…」「そうか…」「来世で会おうぜ友よ」「ああ」の重みのある誓いが、588年後の来世で「俺たちは同志だからな!」「同志!?大げさだなぁ。親友だろ?」「「とーもよっ♪」」っていう無邪気な誓いで叶っているのをみて胸がギュッてなったなあ。
争いのない平和な時代で、親友として一緒に生きている2人を見ながら、ああこの結末しかなかったんだなって、この588年後の未来のためにセザールとリュックは傷つけあったんだなって思ってしまいました。セザールとリュックとして出来なかったことを、今ぜんぶ叶えている。その無邪気で楽しそうなシーンがラストシーンだったのはズルいなあと思わずにはいられなかった。


そして役についても。
やらゆまの、やらゆまによる、やらゆまのための「親友」っていうのが最高だった。
お互いがお互いを思いあっているのに、世の中に引き裂かれる2人。
なんて美しいんだろう。なんて儚いんだろう。
やらゆまを見る度にそう思っていました。
そして玉野さんはよくアテ書きをすると言っていましたが、見事な観察力だなーと思いました。
リュックなのに屋良くん本人のエッセンスを感じたし、セザールなんて優馬くんと重なるところばかりで胸が痛かった。
熱くて真っ直ぐで、素直で純粋で優しいリュック。
熱くて真っ直ぐで、冷静で脆くて強いセザール。
2人は対立しているのにどこか似ていて。だけど絶対的に違う。
リュックは、自分の信念を貫ける強さを持っているし、自分の力で切り開く強さも持っている。
セザールは、信念を貫く強さももちろん持っているけど、誰かのために生きられる強さも持ってるんだと思う。
言うなれば、リュックは
"自分を変えることで、周りを変えていく人"で、
セザールは、
"周りを変えていくことで、自分を変える人"だ。
だからリュックはシノンに行って皇子シャルルに直談判しようとしたし、セザールはブルゴーニュ派に身を委ねて300人の命と母を救おうとした。
守りたいものや信念は同じで、ただ方法が少し違っただけ。
どちらが良い悪いとかではなく、ただ単に性質的な話で、そしてどちらも簡単なことではない、すごいことだ。
その対極的な2人が親友だというのが面白いし、きっとお互いを補い合うのがこの2人なんだろうなーとも思う。

そしてやっぱり、優馬くんは何かを背負っているように見えるんだなーとも(笑)
セザールは結局、自分の背負ったものを誰にも言えず、親友にすら言わずに死んでいった。
「気でも狂ったのかセザール」と親友に言われながら「しょうがないんだ。こんな世の中がいけないんだ。」「これが俺の選んだ道なんだ」「これが俺達の運命の答えなんだ」 と絶叫しながら命を絶った。
とても悲しくて切なくて、なんでいつもこうなんだ、どうしていつもひとりぼっちなんだと思わずにはいられなかったけど。
リュックには「何かあると信じていたよ」と言われ、アルセーヌには「分かってる。あなたは本当は優しい人。」と言われ「何があっても彼を守る」とティエリから言われるセザールは幸せなんだろうなあと。
裏切っても信じてくれる、殺されても分かってくれる、ずっと真っ直ぐに愛してくれる、セザールにはちゃんと想ってくれる人がいる。それに気づくと、セザールという人間の深みが増していく気がして嬉しくなったなあ。
そしてやっぱり、美しかった。独りで死んでいくセザールも、愛する人を自分の手で殺してしまうセザールも、リュックを切りつけるセザールも、狂気じみた部分すらも美しかった。私の大好きな優馬くんだった。
私は結局、こんな優馬くんが好きなんだろうなあと。なんで、どうしてひとりぼっちにするの、と思う反面、優馬くんは孤独でこそ美しさが増すなあと感じる自分もいて。ひどい話だけど、私はどうしようもなく優馬くんのまとう孤独とか背負うものに惹きつけられるんだなあ、と。それでも心配にならないのは、セザールみたいに誰にも言えなくても理解してくれる人が、優馬くんにもいることが分かるからで。
玉野さんの目にもそう映ったのかなあと思うとどこか安心してしまいました。
そして、改めて孤独をまとい悲劇を辿れるのは優馬くんの武器だと感じました。
一方で屋良くんは、どんな困難な状況でも迷うことなく自分の思いを貫いて、どんなに難しくても諦めずに理想を求め続けていくのが本当にピッタリで。
しかもどんな状況でもいつでも明るく前向きな姿は、自分を諦めないことは幸せで楽しいんだろうなと思わせてくれる。
だからこそリュックに、屋良くんに、たくさんの人がついていくんだろうなあと。
屋良くんの周りはみんな楽しそうで。屋良くん(リュック)の思いはみんなを明るくさせるんだろうなあと、改めて屋良くん自身の人柄に憧れました。
屋良くんが自分のためにしていることって、結局誰かを笑顔にすることだったり、誰かを引き上げることだったりするんだろうなあ……。そしてそういう誰かの想いも自分の力にして、原動力にして進めるひとで。どちらかが一方通行になるんじゃなくてちゃんと相互作用にさせるのってすごいよなあ。とも思いました。
だからきっと屋良くんと関わると、その関わる人も輝くし、屋良くん自身も輝くんだろうなあ。
これが普通に出来るってすごいよなあ。改めて、とんでもないお人だ……。

こうやってみると、本当に本人に合ったキャラクターだなあと思う。
だからこそ多少ぶっ飛んだ設定も飲み込んで感情移入出来るんだろうなあとも(笑)
セザールとリュックがとんでもなくエモかったのも、優馬くんと屋良くん自体の関係性が舞台でも生きていたからで。屋良くんと優馬くんは「親友」ではないかもしれないけれど、同じくらい深いところで繋がっていて、本当に前世から一緒だったんじゃないかって思わせる説得力がありました。
「来世で会おうぜ」という588年前の約束を果たした悟と陸には、壮絶な過去があったとは思えないくらい穏やかで幸せな時間が流れていて、前世での出来事を知ってる私(観客)からすると泣かずにはいられないように出来ていたのもズルかった。
とにかく悟と陸も、セザールとリュックも、屋良くんと優馬くんも尊いなあ…………

そして、優馬くんについても。
ドリアン・グレイの肖像、それいゆに続いて3作目の外部舞台。
さらに今回は、初めてのミュージカル。
2015年から舞台でのお仕事を途切れることなく頂いてる優馬くん。その姿はもう立派な座長だなあと。
こちら側も不安になったり緊張したりせずに見れるようになっていて、続けることの大きさを知ったような気もしました。
そんな舞台自体は慣れてきた優馬くんだけど、今回のミュージカルは初めて。最初はこれだけ優馬くんを応援してきて、まだ「初めて」なことがあったんだなあと純粋に驚いていたけど、舞台に立つ優馬くんは堂々としていました。
いつものやつね。こっち側が本当に初めてですか!ってなるやつね(笑)
でも雑誌などのインタビューでは「最初は基本的な事でつまずいた。なぜこのタイミングで歌い出す!?みたいな(笑)」と言っていたり、「(ミュージカルは)やることがいっぱいで大変。」と言っていたり、ちゃんと大変な思いもしていたんだなあと知ると、ちょっと安心しました(笑)
あと、当たり前だけど私は優馬くんのファンだから、贔屓目に見てしまうし、褒めたいタイプなのですが、正直に言うとやっぱり経験豊富なカンパニーに引っ張ってもらったなあという感覚もありました。
でもそれが逆に嬉しかったりもする不思議な感情だったんですけども。さっきも言ったけど、優馬くんて何事も本当に初めてなんですか!?ってなることが割と多くて。多分根が真面目だし優等生タイプだからだと思うけど、ステージ上の優馬くんていつも及第点はきちんと超えてくるイメージなんですよやっぱり。それが個人的に今回は及第点ギリギリの印象で。その感覚が「初めて」だったんです。優馬くんの事で「初めて」のことを本当に「初めて」だと感じたのがすごく印象的だった。いつも「初めてなのに」って感覚で優馬くんの初挑戦は見てたけど、今回初めて「初めてだから」っていう感情になった。それがなんか本当にゼロからの優馬くんを見れた気がして嬉しかったんだよなあ。たぶん今まで2、3くらいレベルが上がった状態からの優馬くんしか見れなかったからかなあ。変な感覚かもしれないけど、ね。

それと、優馬くんがミュージカルに飛び込んだことで「優馬くんは歌は上手いけど超が付くほどでもないし、決してミュージカル向きな声だとも思わないし、特徴的な個性がある声質なわけでもない。」って感じちゃうこともあったけど、それでも私にとっては他の誰にも真似できない、優馬くんにしか出せないひたすらに優しいあの声が、世界で1番だいすきだなーとも再認識しました。なんかもうそれだけでじゅうぶんって思わせる力が優馬くんの声にはある、と私は思っています。ファンだから当たり前っちゃ当たり前なんですけども。
あとは場数かなとも。磨きようによっては優馬くんのあの優しい声がもっともっと生きるようになる場所だとも思ったので、にんじんが本当に嬉しかった…!!!!!
またミュージカルで優馬くんの姿が見れることも嬉しいし、何より中山優馬にミュージカルの需要があったことが嬉しかったよ…!!
ちゃんとクロスハートを次に繋げられてよかったね。

それ以外で言えば、演技に関してはすげえな…って手放しでため息ついてばっかで。ストレートプレイもこなしてきたし、映画もドラマもこなして演技する現場が圧倒的に多いから当たり前なんだけど、ちゃんと進化してるのがすごいなって。
やっぱりステージ上での優馬くんは立ち止まったり停滞することがない人だなって。
クロスハートは私たちのまだ知らない曇天も北斗も経てきてる優馬くんだったから、今の優馬くんがここなら曇天や北斗はどうなんだろうって思わずにはいられなかったし、ちゃんと吸収してきてる優馬くんだったから楽しみが増えた気もしました。
あとクロスハートは私の大好きな優馬くんの眼が生きるお芝居をしていたのが嬉しかったな。
なんかね、優馬くんの眼って表情があるなーって前から思っていたけど、今回はそれに温度感もあって。すごく良かった。
1人3役してるんだけどね、優馬くんだけじゃなくて眼もちゃんと3人の人格があって。タイムスリップ前のセザールはすごく冷徹で冷たい眼で、悟のときは少し弱気なうるんだ眼で、悟の本質を残したセザールは、冷静だけどどこか哀しみが宿った眼をするの。
しかも、セザールでもアルセーヌと歌う時には悟っぽい優しい眼をしていたり、逆に悟でも教授に「変えられるもんなら変えてみたいさ!」って叫ぶところにはセザールの鋭い眼が宿っているのがすごいなって。1人3役なんだけど完全な別人格ではないから、一瞬で人格を行ったり来たりするのよ。
まるで眼で物語のページめくるみたいにくるくる変わるのすごかった…。特にタイムスリップ直後の、悟とセザールの人格行ったり来たりするところなんかもはやゾッとしたよね。「殺すつもりはなかったんだ…!」から「これが俺の運命なんだ!」までの短い間に眼まで人格入れ替える中山さんの仕事人っぷりね。すごい鮮やかに変わっていくのがゾクゾクしたし、日に日に迫力が増していくから見ていて本当に楽しかった。

あとは一番単純にあー好きだなーって思った眼はやっぱりアルセーヌとの「二人の愛の道」。
私東京公演はぜんぶアルセーヌ側だったからなんとか大丈夫だったんですけど、大阪公演はセザール側で見たんですよね。
もうね、宇宙。優馬くんの瞳は宇宙。あ、私たちはずっと優馬くんの瞳の奥で生きていたんだなって、瞳の中のギャラクシーだったんだなってやっと気付きました。
優馬くんの瞳は宇宙説、提唱していこうと思います。あのガリレオ・ガリレイにも負けない世紀の大発見なんじゃないかと思ってる。(大真面目)
美しい夜という設定だから演出というか照明もものすごく綺麗なんです。でもそれに負けない瞳の輝きがすごい。
むしろ綺麗な光たちを反射させてよりいっそう瞳の輝きを強くするんです…。
光を跳ね返すんじゃなくて吸収してより輝きを増すのがこれまた優馬くんだなあって感じで。
しかも最後に無数の光のラインが客席に向かって一点になるときに、その光を見あげる優馬くんがこの世のものとは思えない美しさで、眩しくて見えないです。こうなると優馬くん自身も宇宙だったんじゃないかなって。さっきから大真面目に言っています。
優馬くんて宇宙だったんだ、私たちを生んだ神だったんだ、私たちは優馬くんの生んだ銀河の一部なんだ………さすがにこれは自分でも何を言ってるか分かりません。
ただ概念として優馬くんは宇宙なんです。
何回も言うけど、真面目に言っています。毎日ちゃんと3食食べてるし、睡眠もとっている健康体です。
らちが明かないのでもうやめます。

そして最後はカンパニーについて。
これは本当に優馬くんがカンパニーに属する度に思ってるし、毎回同じこと言ってるからハイハイそれね的な感じなんですけども。
今回もすごくいいカンパニーだった!!!!!!!!
本当に優馬くんは人に対しての引きが強い。これだけは本当に全方位から恵まれているとみなしていいと思う。
素敵なキャストの皆さんで、結束が強いのが本当に伝わってくるカンパニーで。また優馬くんは素敵な繋がりを築いたんだなあと嬉しくなりました。
優馬くんの初ミュージカルがクロスハートで良かったなーと心から思ったし、このカンパニーで良かったなと思いました。
本当に経験豊富なキャストの皆さんで本当に助けられたなと思います。あと優馬くんがこのキャストから色んなものを盗めたんじゃないかなっていうのも嬉しいところでした。
ここまでだといつもと変わらない話なんだけど、今回ちょっとだけ違ったのはやっぱりテラモロかな。
優馬くんにとって初めての「後輩」ポジションの2人で。ここまで後輩と仕事することとか、密に関係築くことってよく考えればなかったんだなーって優馬くんの言葉聞きながら気付きました。
初めて後輩が可愛いなって思ったって言ってたり、ジュニアに戻った時に頭ひとつ分飛びぬけてて欲しいって言ってたり、初めて聞く言葉ばっかりですごく新鮮だった。そしてもうこんなポジションするんだっていう月日の流れも感じたり。
あと一番好きだったのは、ふぉゆ兄さんの誕生日会で焼き肉パーティーした時に、何もしなかった寺西くんに「兄さん方のお祝いやから一番下が肉焼かんかい!」って叱ったエピソード。なんて任侠みのある叱り方wwwミナミの帝王かよwwwって言うのも面白かったんだけど、優馬くんてちゃんとこういう時に叱る人なんだなって新しい発見できた気がして。それも含めてすごく好きだったなあ。
まあよく考えるとテラモロとそんなに年も変わらないし、なんなら同年代なんだけどね(笑)それで先輩になるのかーと思うと優馬くんてやっぱり小さい頃(10代)から場数踏んでんだなーっていう単純な気付きもありつつ、ね。
あとは逆もあって、後輩の立場からの優馬くんの話を聞けるのも新鮮でした。お芝居に対してのアドバイスをくれただとか、周りをよく見ていて全体を理解している、とかテラモロもちゃんと見てるんだなって分かったし、すごくいい関係だなと思いました。
これからこういう場面も増えてくだろうし、優馬くんがどんな「先輩」になっていくかも楽しみ。
今までずーっと素敵な「先輩」を見てきただろうから、これからは同じことしていけるといいね。

というわけで、去年の3月に発表があってから半年後の舞台て!て思ってたクロスハートが無事に終わってもうすぐ一ヶ月。
時の流れが早すぎてむしろ私がタイムスリップしてきたのかと一瞬焦ったけど、この舞台は優馬くんがChapter1の特典映像を撮ってる頃に話が出たと言っていたので、優馬くんたちにしてみれば、もっと長いスパンで見えていて感慨深いんでしょうね。
構想から約1年半かかっていることに驚いたけど、無事に幕を下ろせて本当に良かった。
でも、舞台の寂しいところって千秋楽を迎えるととたんにその世界がなくなってしまったかのように思えるところですよね。
昨日まではあった世界が、今日にはもう存在しなくなっているような気がするとすごく悲しくなってしまいます。
テレビみたいに簡単に再生できなくて、自分の頭で記憶した映像を思い出すしかないしね。
さらにはミュージカルには「音楽」というものがあるので、音としても記憶に残るからより濃く思い出すなあと。
だからまた、会えますように。
それまでは頑張って頭の中で再生させるから、来世と言わずにまたすぐ会わせてくださいね。
待っています、いつまでも、いつまでも。
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